「日本列島 いきものたちの物語」見たよ


ここは鹿児島県屋久島。日本で一番南に生息する愛情いっぱいのサルの親子に、突然南国の激しい嵐が襲い掛かる――。一方、本州青森県下北半島には世界で最も北に生きるサルたちがいる。厳しい冬を前に母ザルが消えた子ザルの運命は…。その他、イノシシ兄弟の大冒険や、ヒグマ兄弟の成長物語、キタキツネ親子の切ない別れなどが、日本の美しい季節とともにドアラマティックに映し出される。

『日本列島 いきものたちの物語』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮で観てきました。


本作は日本の自然を対象にしたネイチャードキュメンタリですが、映像面とナレーション面で大きく評価の別れる作品となりました。


まず映像についてですが、いかにも日本っぽい場所もあれば本当に日本なの?と聞きたくなるような場所まで網羅的に選択して撮影している点がすごくいいなと感じたのと、それぞれの場所に対して長い期間をかけてしっかりと動物の生態を追いかけていると感じられる映像が多数あった点はとてもよかったです。


それで映像を眺めていて感じたのは、撮影者の思い入れみたいなものが感じられたということです。
うまく言葉にできないのですがあえて言うと「観察者としての冷静な視点」と「保護者のような暖かなまなざしに近い視点」が混ざっていたように感じました。おもしろいドキュメンタリーって徹底した客観性の上に成り立つと思っていたのですが、この作品にかぎっていえばその主観のような何かも映像の流れのなかに溶け込んでように感じたのです。

なんだか観ているうちに「わたしがいいねと感じる基準」がよくわからなくなってしまったのですが、とにかくこの作品は映像的にはとてもおもしろくてよかったなと。それだけは間違いありません。


ただ、ひとつだけ映像で残念だったのはデジタル映像でよく見かけるギザギザっぽさがこの作品では特に目立ってしまい、自然の美しさをつめこんだ映像のよさがかなりもったいないことになっていたことです。そこだけはかなり残念でした。画面が大き過ぎたのかな...。


そして今回もっとも残念だったのはナレーション。
正直に言えば、複数の芸能人が交代でナレーションを担当するという時点で観る前から予想という名の覚悟はしていたのですが、しゃべる人によってその出来不出来に大きく差がある上に、動物や土地ごとにナレーションを定めるわけでもなく、ただただ順番にナレーションを入れてくるのはちょっと勘弁して欲しかったです。

特にゴリはもうひどいというかなんというか、ドキュメンタリーのナレーションって映像をサポートするためのものなのに、あんなふうにがっつりと声を張られるとなんかもう観てられないですよね....。


全部が全部悪かったわけではないのですが、ちょっとうっとうしかったです。



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