アイアンマン


ある紛争地域で自社兵器のデモ実験に参加したトニー(ロバート・ダウニーJr.)は、テロ組織に襲われ、拉致されてしまう。捕虜となった彼は、組織のために最強兵器の開発を余儀なくされる。だがトニーは、敵の目を盗み、装着すると圧倒的な破壊力とパワーを発揮できる、戦闘用パワードスーツを完成させ、脱出に成功する。奇跡的に生還したトニーだったが、自らが社長を務めるスターク・インダストリーが開発した兵器がテロ組織に使用されている事実を知り、ショックを受ける。それを償うためトニーは、助かった自らの命をテロ撲滅に捧げること決断する。そして新たなパワードスーツを完成させた。それは、腕からのミサイル攻撃が可能な戦闘力、そして戦闘機より優れた飛行性能を持つ、究極の“パワードスーツ=アイアンマン”だった――。自ら開発したハイテク・アイアン・スーツに身を包み、世界の悪とバトルを繰り広げる、異色ヒーロー超大作。

『アイアンマン』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。
イキガミ」とこれとどっちを観ようか悩んだのですが、今日は細かいことを考えずに楽しめる作品が観たかったのでこちらを選びました。結論からいうと、いい選択だったなと感じました。鑑賞後にすっきりとなれるとても楽しい作品でした。すごくよかったです。


わたしはアメコミがあまり好きではなくて、その代表格とも言えるスーパーヒーロー系はマンガも映画もまったく観たことがありません。唯一積極的にアメコミと関わったのは、カプコンがvs系の格闘ゲームを出した時くらいで、でもそれだって他の格闘ゲームに比べたらそれほどのめりこむ事もなく、あっさりとした付き合いで終わりました。
大好きなゲームですらそんな状態ですから、マンガの方もあの独特の色やタッチが苦手で読みたいとは思わなくて手に取ることはなかったし、その影響もあって映画も観たいと思うことはありませんでした。


ちょうど2ヶ月前。
シアトルに行った時に映画館を探していたら、ちょうどこのアイアンマンが上映していたようでポスターが貼ってあるのを見かけました。



この絵そのものではないのですが、こんな感じでアイアンマンの姿を描いたものだったのですが、これを観てかっこいいと感じますか?
わたしは最初にこれを観た時はかっこいいなんて思えませんでしたし、これをヒーローだと言われても「じぶんが困っているときでもあまり頼りたくないなー」という戸惑いを感じました。ぶっちゃけかっこわるいよね、くらいひどいなーという印象を受けたのは覚えています。


ところが!!
ところがですよ。この作品でアイアンマンが生まれるに至った経緯やアイアンマンの活躍を見届けてから再度アイアンマンを見直してみると、なんとこのアイアンマンが途端にかっこよく見えるのです。まさにパラダイムシフトだとわたしは驚いてしまいましたが、でも物事のバックグラウンドを知ることでその魅力を正しく認識できるようになったのだと考えるとそれほどおかしな話ではありません。
きっとこの気持ちのまま、もう一度この作品を観たら、一度目以上に楽しめそうな気がします。


さて。この作品のみどころについてですが、わたしは後半のアイアンマンが完成した直後のシーンがとてもよかったなと思います。
予告でもあった戦車を破壊するシーンは本当にかっこよかったし、マッハで飛び回って戦闘機と格闘を繰り広げるスピード感あふれるシーンも見ごたえがあってとてもよかったです。


もうひとつ、個々のシーンではないのですが、戦争に対する考えが明確に表現されていてとても印象に残りました。
「最良の兵器は使わずに済む兵器ではなく、一度使ったら勝敗が決してしまう兵器だ」、「兵器が平和を作る」というようなこと*1をトニーが言ってのけるシーンがあって、おもしろいなと感じました。なんていうか、日本人だとなかなか冗談でも言えないセリフだよなーと思うし、そういうセリフが自然に入り、そして自然にシーンになじんでいるあたりに文化的な背景の違いをとても感じます。「力なき正義は無能」だってことは理解出来るんですけどね。


ストーリーの簡潔さ、展開のおもしろさ、迫力あるシーンがとてもよい割合で混合された良作でした。


公式サイトはこちら

*1:正確には忘れたのでチョー意訳です