時をかける少女

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

映画版(アニメの方)は去年あたりDVDで見たのでストーリーの概要は覚えていましたが、それでもなおひきつけられる展開はとてもよかったです。そしてストーリーだけではなく、夏の数日間を切り取ったような場面の選択や描写もひじょうに魅力的でよかったです。高校時代のたのしい思い出といえば夏休みだよねー、とひとり納得しながら読んだのでした。


時空を旅するというのはきっと叶わぬ夢だと思っているからこそ、どうしてもあこがれをもって観てしまいます。だからこの手のタイムスリップものは手を変え、品を変え、ちょっとだけ味付けを変えて繰り返し扱われるテーマになりうるのだと思います。きっと同じようなストーリー/構成なんだろうなと思っていても、この話はタイムリープするよーと言われるとどうしても手を出さずには居られないのです。
コスプレじゃないと興奮しないとか、知らない人に見られていないと興奮しないというように、特定のシチュエーションに固執してしまっているある種の性癖のようなものなのかも知れないなと思います。


そんなわけで非常におもしろかったのですが、ただ最初に書いたとおり映画版は既に観ていたのですが、どうしてもそちらの印象が強過ぎて登場人物像に違和感を覚えてしまいました。やはりこういうのは先に観た方が好きになってしまうんですよねえ...。

時をかける少女 通常版 [DVD]

時をかける少女 通常版 [DVD]

この本が450円くらいなのでDVDを借りてみた方がコストパフォーマンスはよいかも知れません。


それと本書にはタイトル作品とは別にもう2作品が掲載されていますが、そちらは何だか安っぽいSFであまり面白くはありませんでした。
いや、もしかしたらそれらだけ読めば普通の作品なのかも知れませんが、タイトル作品と並べて読むとあまりに出来が違い過ぎて奇妙どころの話ではありません。そっちは読まなくてもよかったな。


読み終わったらDVDの方が急に見たくなってきました。あとで借りて来ようかな。