入学金未納2人、式出さず=「苦渋の選択」と県立高

千葉県八千代市の県立八千代西高校(大迫太校長)が、入学金未納だった新入生2人を8日の入学式に出席させなかったことが13日、明らかになった。生徒2人はその後、保護者が入学金を納め、入学を許可された。同校は「入学金が必要なことは事前に説明しており、学校として苦渋の選択だった」と話している。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008041300053


この説明からすると、入学金を納めていないということは入学する権利をまだ手に入れていないという状態であるということなのだろうし、そう考えると当然の対応なのでしょう。


私が面白いなと思ったのは学校側のコメントにある「苦渋の選択だった」いう部分です。
つまり入学式に出すべきかどうかという検討があったということが暗に示されているのです。入学金の納入有無に関わらず、とりあえず入学式には出してあげたいという考えがあったと感じました。
たしかに入学式に出られず教室で待機させられた生徒の気持ちを考えると、これから3年間を過ごす高校の入学式に出られないというのは非常にやりきれない気分でしょうし、場合によってはイジメの原因にさえなりかねないくらい大きなことだと思います。


学校の先生たちはそういう事を考慮して検討されたのだと思いますが、でも結局は、お金を納めていない生徒は入学式には出せないという結論を出したのです。


上記のようなイジメのリスクも考えたでしょうし、生徒の心情も考えたのでしょう。
ではなぜそのような結論に至ったのか? 出席させる事を阻んだ一番の要因はなんなのか?


私が学校側の立場に立っていると仮定して最大の阻害要因について考えてみると、いわゆる一連の未納問題やモンスターペアレントと呼ばれる親の存在が一番気になります。
つまり一度でも未納を許すことで(仮にそれが暫定的な処置であったとしても)それに追随しようとするバカが出てくるのは目に見えていますし、一度でも事例を作ってしまうとそれに群がるキチガイが出てきて歯止めが利かなくなってしまうでしょう。そういった状況に発展してしまい、学校側に多くの負担がかかることを懸念しての今回の対応なのではないかと推測します。


今回未納だった2名が実際に納めるだけの金銭的余裕があまりなくてどうしようもないケースなのか、それともいわゆる未納/滞納の常習犯だったのか分かりません。ただ、上に書いたとおりひとつでも事例を作るとそれに付け込もうとする人間がいるという現状は、状況に応じた対応を非常にやりにくくさせていると感じられます。


誰だって自分ばかり損するのは嫌です。さらに自分の子どもはかわいいというのも分かります。
けれど、だからといって過剰な要求を突きつけてよいわけではありませんし、そういった無茶を通すことでどれだけ周囲に負担をかけているのかということはぜひ自省して欲しいと思うのです。
あなたが相手に要求している事が自らが払っている対価に対して妥当なレベルなのかどうかというのは考えれば分かる事ですし、それが分からないのであれば一度計算してみましょう。


価値の分からないものを欲しがるのは結構ですが、それを見合わない対価で得ようとすること自体恥ずかしい事だと思います。
つうか、単に欲しいものやサービスには見合った対価を払いましょうというだけなんだけどなあ。何が嫌なのかさっぱり理解出来ません。
嬉しかったら笑う。悲しかったら泣く。悪い事したら怒られる。サービスを受けたら対価を払う。当然のことじゃないの?


違法ではないとか規約で制限されていないとかそういう議論がしたいのではなく、相手のことや全体のことを考える程度の余裕は持つべきじゃないかと思います。



[追記]
先日書いた富山県保育所のケースの対応事例を参考までに載せておきます。
(長いのでタイトルだけ載せておきます。詳しくはリンク先参照)

モンスターペアレント実態赤裸々 無理難題と理不尽全18例掲載 (J-CAST)

無理難題や理不尽な苦情を次々と保育所や幼稚園、学校に突きつける「モンスターペアレント」たち。富山市は実際に起こった事例をまとめた「保育所クレーム対応事例集」を2008年3月に発行した。そこには常軌を逸したクレームの数々が載っている。18の実例をすべて掲載する。
●子供と親の分、保育所で朝食を用意して欲しい
●写真撮るときには、背の低い子供の並べ方に配慮して
●保育料も、教材費も、遠足のバス代も払わない
●会社に遅刻するからオムツ替えは保育所でやって
●水筒に名前入れると「ネットオークションに出せなくなった。弁償して」
●被害妄想の強い母親「保育士がうちの子を後ろから突き倒した」
●夜遅くまで起きているのは、保育所のせい
●「なんで救急車呼ばんかったか!」父親が怒鳴り込む
●「牛乳はよくない。冷たいジュースも」給食食材に異常な要望
●ケガしたら弁護士に相談
●ブランド品の下着、「名前は入れたくない」
●前に病院でもらった薬を飲ませて欲しい
●「アレルゲン食品を与えたのではないか」と邪推
●家まで来て謝罪しろ!
●「うちの子供が嘘をつくわけがない」と保育士解雇を要求
●母親の精神不安定、「保育所側のせい」
保育所でシラミもらったに違いないと信じ込む
●我が子が友達からいじめられている!

社会ニュース|トピックス|Infoseekニュース

こういう親を見て育った子どもがどういうふうになるのか見てみたいですね。



[追記2]

好きそうな話題だと思っていましたが、やはり痛いニュースにも取り上げられていました。

573 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2008/04/13(日) 04:18:59 id:G0WOpQtwO
だけど子供に罪はないだろ
自分が同じ立場なら、情けなくて恥ずかしくて悲しくて、もう学校なんか行きたくなるなる
他の方法があったんじゃないかと言いたい

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1114176.htmlt

散々あちこちで言われてるけど、子どもに罪がある/ないで議論してはいい方向にはいかないと思うよ。
子どもに罪が無いという耳障りのいい言葉をたてにして払わない人がいる以上、子どもにも親の罪を背負ってもらう必要があると思うし、それも一つの教育だと思うよ。ごねたらいいなんて事を身をもって覚えられるより、対価を払わずにサービスを受けることはできないという当たり前すぎる事をちゃんと体験してもらった方がよい教育になると思う。
そういう当然の事を親が教えられない以上は学校でびしっと教えてやりゃいいんじゃないかな。


もちろん本当に払えない人もいるだろうしそういうケースは救済すべきなんだけど、でも上記のケースと容易に区別出来ない以上は一律罰するか救済するかの二択になるんだろうなと思うし、救済という道を選んでいるのが現状なんだよね。
払えるのに払わない救いようのないカスのせいで、救われてもいいはずの人間が救われないというのは本当に気の毒でなりません。