ゲームと映画

先日、映画を見終わってふと思ったことがあるので忘れないうちに書いておこう。


私は10代前半から20代後半にかけて、趣味と言えばゲーム、ゲームラブ!!という生活を送っていました。20歳前後に一度、他の事に現を抜かしてゲームから離れた時期はありましたが、その後結局元に戻ったのでした。まさにライフワークと言っても過言ではありません。
こんなふうに書くとおおげさな...と思う人もたまにいますが本当にゲーム中心な毎日を送ってまして、「あの時期は何してたっけ...」と過去を思い出す時のキーになるのはその当時やってたゲームだと言うのも全然冗談ではありません。


そんな私が、ゲームをやってて一番身の危険を感じたのはPS2モンスターハンターというゲームが発売されてオンラインに繋いでしまった時でした。


当時、どうしてもオンラインゲームがやってみたくてバイオハザードアウトブレイクに手を出したのですが、あまりのツマラナさに3回しかオンラインに繋ぎませんでした。初めてオンラインに繋いだ日。ドキドキしながらミッションに参加した時の事は一生忘れません。
いざ始まってみると、アイテムのある位置は分からないし、どこに敵がいるのかも分からない状態。さあ手探りで探してこうぜ!!と思ってたら、なぜかみんな猛ダッシュ。もうタイムアタックをするがのごとくどんどん進んでいって気付けば置いてけぼりだし、さらに俺が遅いからか「カモーン、カモーン」と全員で呼びかけてくるし、もうお前らみんなゾンビになって死ねとかぶつくさ言いながらゲームをしてたのでした。もうあまりについていけなくて心底悔しかったのでこいつらの邪魔してやろうとハーブとかアイテムを片っ端から拾って使ったり無駄遣いしたけども、みんな自分の分は確保していたので結局困ったのは自分だけと言う正に自業自得という状態に陥ったのをきっかけにこのゲームは止めました。


そんな経験もあってあまりオンラインゲームには期待していなかったのですが、その後買ったモンスターハンターがすごく面白くてかなりはまりました。あまりにはまってしまって会社にいけなくなるんじゃないかと心配になるほどでした。あまりにずっとやり続けたので、普段ゲームをやらないマコ*1がこのゲームの音楽を外(ヨドバシのゲームコーナーとか)で耳にするとハッと気付いてしまうくらいやり続けてしまい、結局HR20になるまでやり続けました。学生時代ならまだしも、社会人になってからここまでゲームにはまるとは思っておらず、終わったあとは後悔に近い気分になったのを覚えています。この時期は大後悔時代です。


こうやって改めて過去を振り返ってみると、ゲームと言うのは目に見える中毒性があります。RPGにしても格闘ゲームにしてもオンラインゲームにしても一度始めるとやめられなくなってしまうのです。
RPGであれば旅を続けて強くなったり仲間が増えたりする事が楽しいですし、格闘ゲームは常に誰かと競い合う楽しさがあります。格ゲーは勝つと嬉しい、負けると悲しいという単純なことが体感出来るんですよね。そこがすごく楽しいのです。
そしてオンラインゲームはネットを介して繋がっている知らない誰かとのコミュニケーションが楽しくて止め時が見つかりません。明確な終わりが無い以上、ゲームを終わらせるには自らの意思が必要となりますがこれがまたなかなか止められない。自分でも嫌になるくらい止められませんでした。


ゲームはいつだって私をゲームの世界に留めようとするのです。現実よりもシンプルで居心地が良くて、そして常にプレイヤーが中心に居られる世界を提供する事で、「ゲームの世界に居続けてよ」といつもいつも呼びかけてきます。現実が自分の望むものでは無いと思えば思うほど、のめりこんでしまうのがゲームの魔力なのです。


対して、映画はこれとは逆にいつだって作品の世界をとおして現実の辛い部分を突きつけてきます。それは大事な人を失ってしまう辛さだったり、追い詰められる恐怖だったり、はたまた人間関係の不和だったりといろいろですが、映画を面白くするのはこういった逆境です。この逆境からの解放を得る事もまた気持ちが良いですし、その逆境を抱えたまま終わってしまう作品もあります。


いつまでもその世界に浸りたいという思いからはまってしまうゲーム。
いつも現実と向き合う事を強要される映画。


本当にはまってしまった場合に怖いのは案外映画かも知れないなと自虐の詩を見た後にふと思ったのでした。

*1: