みどりの月

みどりの月 (集英社文庫)

みどりの月 (集英社文庫)

独立した二作 - みどりの月 と かかとのしたの空 - を収録しているのですが、どちらにも共通しているのがキャラクターの不愉快さ、気持ち悪さ。とにかく出てくる人たちすべてがどこか気色悪いのです。


「みどりの月」は大好きだった彼とその妻、そしてその彼氏と同居すると言うなかなか楽しそうな話だと思ってましたが、実際に読んでみると全然面白さは無く、ただその気持ち悪い関係を見せ付けられるだけの内容でした。これ何が面白いのかさっぱり分かりません。


「かかとのしたの空」は、とある島で一緒になった気持ちの悪い女に付き纏われるという話なのですが、この付き纏ってくる女のあまりに神出鬼没っぷり、そしてしつこさにウンザリします。ただ、この関係がどうなるのか?というスリルを味わう作品としては面白い作品だと思います。


これ読んで分かりました。
俺、小説を読むのが下手になってるんですね、きっと。行間を読む力は落ちてるし、感受性がかなり弱くなってます。ビジネス書のような行間無しで100%説明してありますみたいな本は読みなれてきたんだけど、代わりに文学的な表現から行間を感じる事が出来なくなってるみたいです。最近すごく本を読んでたのに全然気付かなかった。