システム開発を仕事にして23年目の46歳が応用情報技術者試験を受けるまでにやったこと

結論

  • 応用情報技術者試験を受けた
  • 午前試験は心配し過ぎ、午後試験はちょっとなめ過ぎてた
  • 午前よりも午後の方が対策が必要
  • 合格発表が遠い(あと14日)

受けた試験の概要

2024年4月21日に応用情報技術者試験を受けてきました。

情報処理試験を受けるのは2002年秋に基本情報を受けて以来なので22年ぶりでした*1


試験会場も22年前と同じで今回も宇都宮大学の峰キャンパスでした。



ひさしぶりといえば大学という場所に行くのも結構ひさしぶりでしたがあの緩い雰囲気がとてもよかったです。

さて。今回受験したのは応用情報技術者試験(以下、応用情報)です。





応用情報はレベル3に分類される試験で先日受けた基本情報のひとつ上の難易度に分類されます。自分が大学を出たあたりで第一種情報処理技術者試験からソフトウェア開発技術者試験になり、そしていつの間にか応用情報へと名前を変えていたというのは知っていたのですが、試験の内容がこんなに変わっていたとは知りませんでした(これについては後述します)。


ひとまず申し込んだ時点ではちゃんと勉強すれば普通に受かるだろうなという感じでしたが、「ちゃんと勉強すれば」という部分がとても不安でした。

試験に向けての学習方針

試験の申し込みは申し込み開始直後の1月に済ませました。試験は 4/21 なので3カ月は勉強する猶予があったのですが勉強をしたのは約2週間でした。

まず今回の試験を受けるにあたって決めていたのは「試験対策をし過ぎない」ことでした。
今回受ける応用情報は情報処理技術者試験の中ではやや難しい部類に入りますが、ある程度の業務経験がある人が受ける試験としてはそこまで難しいものではありません。というのも、試験を受ける前にどういう問題が出るのかちらっと見てみたのですが20年くらい前にソフトウェア開発技術者試験を受けようかと思って勉強したときとは問題の傾向がかなり変わっていて「範囲は広いけど難易度は低い」という印象を受けました。ソフトウェア開発技術者試験は午前ですらどの問題もちゃんと考えないと分からないような問題ばかりだったと思っていたのですが、応用情報の過去問を見る限りでは(1)基本情報をちょっと難しくした程度の問題+(2)以前受けた情報セキュリティマネジメントでも見かけたような問題が多く見えました。調べてみると応用情報になったときに試験範囲や内容も変わったようでした。

studying.jp

合格率は20-30%とそこまで高くはないのがとても意外でしたが(問題を見たときは40%-50%くらいは受かると思ってた)、その理由は試験を受けに行ったときに分かりました(これは後述します)。


一方で午前試験が150分で80問を解く選択式であることはかなり気になりました。
試験は午前と午後それぞれ2回に分けて行われるのですが午前は選択式で午後は記述式となっています。この点は20年前に基本情報を受けたときと同じなのでとくに気にならなかったのですが、150分で80問を回答するという点には不安を覚えました。問題自体がいくら難しくなかったとしても、単純計算で2分で1問を解けるほどかんたんかというとそういう問題ばかりではなくて確認も含めると数分かかりそうなものも散見されました。逆に午後は記述式である点は少し気になったのですが、問題は複数の問題から得意なものを選べるということと実際に令和5年度の春と秋の問題を流し見したらいけそうだったのであえて勉強しなくても大丈夫だろうと思えました(これがただの勘違いだったことは試験中に気付くのですがそれも後述します)。


だいぶダラダラ書いてしまったのでここまでの流れをいったん整理します。

  • 試験申し込みから試験までは3カ月以上あった
  • 過去問を見たら思ってたよりも簡単そうだと思った
  • 試験対策をし過ぎるとおもしろくないので試験勉強はし過ぎないように気を付けようと思った
    • 午前試験はスピードも必要なので午前だけはちゃんと勉強したい
    • 午後試験は問題が選べるから勉強しなくてもいけそう


以上のことから学習方針としては「午前試験対策は過去問を解き慣れておく」「午後試験対策は何もしない」と決めました。午後試験は何もしないと書きましたが、午前試験で得た知識は午後試験でも使えるだろうという思惑もあったのでそれで十分だと思っていました。

というわけで学習方針はこんな感じに決めました。

[学習方針]

  • テキストを購入して一周する
  • 午前問題対策は過去問をひたすら解く
(1) テキストを購入してちゃんと一周する

まずせっかく試験を受けるなら試験対策だけで終わらせるのはもったいなと思ったのでまずはテキストを購入してそれを読むことにしました。

今回はこれのPDF版を購入しました。

(2) 午前問題対策は過去問をひたすら解く

テキストを一周したあとは午前問題になれるために過去問を解こうと思っていました。
幸い、購入したテキストにも過去問が乗っていたのでそれをしっかり解こうと思っていました。

あとは過去問を解く練習ができるサイトがありました。

www.ap-siken.com

ちょっと触ってみたら今までに出題された問題全部が掲載されている点と特定の分野の問題だけを解くとかできる点がとても素晴らしかったのでこれもやることにしました(月額780円)。

実際の学習内容

いろいろあって(端折り過ぎ)、試験勉強を始められたのが4/1になってからでした。

itotto.hatenadiary.com

3カ月以上あったはずなのに気付いたらあと3週間を切っていました。

(1) テキストを購入して一周する

勉強の開始が予定よりもだいぶ遅くなったものの「試験対策をし過ぎない」という方針もあったのでこの時点ではそこまで悲観的になっていませんでした。ただ、いざテキストを読み始めたら思ったよりもテキストのボリュームがあるというかそもそも試験範囲がかなり広くてテキストもかなりページ数が多いことにあとから気付きました。紙の本なら手に取ればどのくらいのボリュームなのかすぐに分かりますが、PDFとか電子書籍だとページ数とかをちゃんと確認しないと分からないのでちょっと甘く見てました。

PDFビューワー(というかEdge)で表示されているページ数を見たら827ページあり、過去問の部分を抜いても550ページくらいでした。

がんばって1日30ページくらい読んでいたのですがそのペースだと試験日前日くらいまで読まないといけない計算になります。詰んだ...。

仕方ないので斜め読みで済ませて一週間くらいで一周済ませました。

(2) 午前問題対策は過去問をひたすら解く

テキストを一周した時点で残り2週間でしたが、そこから1週間は仕事がほとんど勉強できませんでした。もうただの言い訳になっちゃうんですが、テキストを勢いだけで読みすすめたためなのかもうぜんぜんやる気が出なくて「勉強するぞ!」→(5分後)→「疲れたしもういいか...」を一週間繰り返していました。寝る前は「なんで勉強する気にならないんだろう...」と悲しい気持ちでいっぱいでしたが、だからといって眠れないわけでもなくてすぐに寝ちゃいました。そしてなんと試験勉強もしていないのにこの時期にプログラミングコンテストへの参加を始めました。完全に現実逃避です...。

ただ、さすがにこのまま勉強せずに受けるのは嫌なので試験前の一週間は応用情報技術者試験ドットコムの過去問道場で過去問を解きました。
ここしばらくは寝る前の1時間は読書かゲームをするのが恒例でしたが、それを諦めて過去問を解いて間違ったところをメモするということに費やしました。とくに直前の金曜、土曜は結構頑張って解いたのでトータル 550問弱を解くことができました。

これはもうただの午前試験対策では...。とりあえず問題を読むのは速くなりました。

試験を受けての印象

(1) 試験の内容の印象

というわけで4/21に試験を受けてきました。

まず午前試験ですがちょっと過去問を解きすぎたなというのが率直な印象でした。
応用情報は過去に出題した問題からも複数問出題されるので知っている問題があるのはいいとして、過去問をたくさん目にしたことで何となく何を問われているのかすぐに分かるようになったので考え込むような問題は少なかったです。一つだけ反省したのは時計をもっていかなかった(スマートウォッチは持ち込めなかった)ので残り時間が分からなくてめちゃくちゃ焦って解くはめになったことです。結局100分ちょっとで退出したので実はぜんぜん焦る必要がなかったのですが、時間が分からないというのはなかなかストレスだなと感じました。

午前は数日後に回答が出ていたので答え合わせをしてみましたが80問中66問正解でした。合格ラインは6割以上だった気がするのでさすがにこれは大丈夫だと思いますがもうちょっと解けてた気がしたので残念でした。


そして午後試験ですが、これは逆に何もしなすぎたなという反省しか残りませんでした。
まず試験が12問から6問選択というのを知らなくて試験開始直後に「え?選ぶのは3問くらいじゃないの?」とめちゃくちゃ動揺しました。3問程度解くのに試験時間がやけに長いなとは思っていたんですよね...。試験の概要にしっかり書いてあるのにぜんぜん読んでいませんでした。

そして解き始めてから気付いたのですが、文章をまとめるのがめちゃくちゃ大変でした。
どの選択問題も穴埋め問題が多いのですが、自分の意見を規定の文字数に収めて書く設問が必ずあります。問われている内容自体はさほど難しくないのでとりあえず書くのですがだいたい文字数がオーバーしてしまって削らないといけなくなります。これがもう死ぬほどめんどくさいんです....。最近はパソコン以外で文章を書くことはないので書き直すこともそんなに大変ではないのですが、手書きだと消して書いてがとにかく大変だし、何より他人が読める程度にきれいに書くというのがかなりハードルが高くて高ストレスな作業です。2問目くらいでもう字を書くのが嫌になって帰りたくなりました。

こういう問題こそ慣れが大事だと思うので午前試験じゃなくて午後試験対策をしておけばよかったなとずっと反省しながら問題を解いてきました。これはもうぜんぜん時間が足りなくて最後の最後までがんばって手を動かして空欄を埋めてきました。適当だけど。

午後は合格発表まで模範解答が出ないので(民間の試験対策サイトだとたぶん出てるけど観てない)、こちらは未採点ですが感覚的には合ってるのは半分くらいかなという感じです。

(2) 試験会場の印象

今回受験して一番おどろいたのは受験者の大半(7割以上)は学生だったことでした。
自分が学生だったときは学生は卒業時点で基本情報あたりをもっていたらかなり上々な方だったと思うのですが今は応用情報をとる人がそれなりにいるというということにびっくりしました。ただ、この学生の受験者が多いといういうことが分かったことで合格率の低さも理解できた気がしました。


そういえば今回は試験会場で会社の同期に会いました(同じ部屋)。
会社に入社した直後であれば誰かしら情報処理試験を受けている人もいたと思うので会場で偶然会うなんてこともぜんぜん不思議ではないのですが、この歳になると試験を受ける人自体がほとんどいないし受ける人はもっと難しいのを受けてそうなので誰にも会わないだろうと思っていたのでこれまたびっくりしました。午前試験が始まる直前に見かけたのでお昼に見かけたら話そうと思っていたのですがその後見かけることはありませんでした。

翌日会社で話をしたら「午前でもう無理だと思ったのでお昼で帰った」と話していて午前がダメなら午後は採点してもらえないからそりゃそうだよなと納得しました。
毎回受けているわけではないけどたまに思い立って受けているらしいです。22年も試験から遠のいていた自分とは違ってえらいなと思いました。

最後に

合格発表は 7/4 12:00-なのでまだもう少しありますが、上でも書いたとおり午前は受かりそうですが午後は結構厳しそうという感じです。
午前が受かっていれば次に受けるときは午後だけでいいので午前だけでも受かればいいなと思うのですが、一方でこれにこだわらずにもうひとつ上の試験を受けてもいいなと思っています。というのも応用情報自体は難易度的にそこまで高くないので、午後の試験対策をすれば間違いなく受かるだろうと思っています。確実に受かるのが分かっているものに時間をかけるのも何だかもったいないなというのもあって、次はシステムアーキテクトあたりを受けたいなと考えていたのですが秋はこの試験がないらしくどれを受けるかちょっと迷っているところです。



(参考資料)
https://www.ipa.go.jp/shiken/about/gmcbt80000007743-att/topic_20071225_shinseido_4.pdf


www.ipa.go.jp

*1:今年の2月に CBT で基本情報を受けたので正確には22年ぶりではないのですが大勢が試験会場に集合して受けるタイプはひさしぶりでした