「君たちはどう生きるか」観たよ

10年くらい前まではとても映画が好きで週に2-3本は映画館で観ていました。その後ランニングをするようになって観に行く時間が取れなくなったので映画を観に行く機会は減りましたが、2006年から2013年くらいまではほんとうにたくさんの映画を観ました。ではもっと昔、例えば学生時代から映画が好きだったのかというとそんなことはなくてずっと同じ場所で座っていないといけない映画館での映画鑑賞はあまり好きな娯楽ではありませんでした。6年もあった山形での学生時代に観に行った映画はプライベートライアンの1作品だけでした(友達に誘われた)。

では何をきっかけに映画館によく行くようになったのかというと何となく観た「ゲド戦記」がとてもおもしろかったからです。

もともとは別の映画(「サイレントヒル」)を観に街中へと出かけたのですが、ちょうど同じ日に「ゲド戦記」も公開されていたのでついでに映画館へと足を運びました。公開直後のジブリ映画ということでとても混んでいるんじゃないかと思ったのですがいざ映画館に行ってみるとほんとうに人がいなくてとても拍子抜けしたことを覚えています。いま思えばその映画館は昔ながらの東宝系の古い映画館で、郊外にはもっと大きくてきれいなシネコンがあったのでみんなそっちに行ったのかも知れませんが、とにかく10人に満たない人しかない、でもものすごく大きなスクリーンで観たゲド戦記がとてもおもしろくて「映画ってこんなにおもしろいのか」と感動しました。世間でのこの作品の評判はいまいちでしたが、自分はいまでも大好きな作品の一つです。

映画を映画館で観始めたきっかけがジブリだったということもあって、その後に公開されたジブリ作品は全部映画館で観たしどれも大好きな作品になりました。個人的にはポニョが一番好きかも。


とは言え、日常的に映画を観なくなってしまうとどうしても映画そのものへの関心も薄れてしまいました。なので本作「君たちはどう生きるか」も公開自体は知っていたのですが、昔からの宮崎駿監督の熱心なファンというわけでもなかったので観に行くつもりはなかったのですがいろいろとあって公開2週目に作品を観に行ってきました。


本作を観終えて最初に思い出したのは17年前にゲド戦記を観終えて映画館をあとにしたときの「映画ってこんなにおもしろいんだな」という気持ちでした。先の読めない物語を上質なアニメーションをとおしてただ追いかけるだけの2時間はほんとうに楽しくてあっという間でした。


ストーリーだとか物語の構成だとかいろいろと書きたいことはあるし、分からなかったこととかいまいち理解できなかったことを書いて誰かに教えて欲しいと思ったりもするけれど、でももうしばらくはこの観終えたときの気持ちを言葉にせずに抱えたままに過ごそうと思います。また映画館で観たいです。