ジャックナイフ・ガール 桐崎マヤの疾走 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 作者: 深町秋生
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2014/06/05
- メディア: 文庫
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稀代の不良・桐崎マヤ―ナイフを常に持ち歩く、通称“切り裂き”マヤが、近未来の東北を舞台に暴れ回る!目的のためならどんな手荒い行為もいとわない。大麻を収穫すべく隣県に乗り込んだところ事件に巻き込まれる「スラッシュ&バーン」、放火容疑を晴らすため真犯人を追う「サーチ&デストロイ」など、全5話を収録。マヤが暴走する理由が明かされたとき、哀しみが胸を打つ。
http://www.amazon.co.jp/dp/4800227704
先日、twitterを眺めていたら1月20日に深町秋生さんの新作「バッドカンパニー」が出るというのを知ってすぐに予約したのですが、そういえば去年出た「ジャックナイフ・ガール」をまだ読んでいなかったことを思い出したので「バッドカンパニー」が出るまではこちらを読もうとさっそく購入しました。
本作は近未来の日本を舞台にした作品なのですが、この作品で描かれる近未来というのがある出来事をきっかけにまるでMADMAXの世界観のような荒くれモノが跋扈する世界として描かれていたところがとても印象的でした。
深町さんの描く作品では「すごい美人でめちゃくちゃ強い(というか怖い)人」がよく主人公として描かれるのですが、本作の主人公マヤもまたその流れを汲む美人で強い女性です。そんな彼女が暴力で満ちあふれたひどく血なまぐさくて原始的な世界をたくましく生きていく姿が本書では描かれていて終始わくわくしながら読み進めました。
腕力でつぶしにかかってくる敵を力でねじふせる強さを見せたかと思うと心を許した相手には情に厚い一面を見せたりと、読めば読むほど彼女の人となりが伝わってきてもっと彼女の日常を見てみたいと思わずにはいられません。
またどこかでマヤの活躍を読みたいです。