書きたいことが多すぎて逆に書けない

さいきん、書きたいことが多すぎて何から書いていいのかわからず、結局何も書かないということを繰り返しています。
昨年のマラソン大会のまとめや最近読んだ本の感想、観た映画の感想。どれも書きかけの下書きはあるものの、なかなか完成させることができず書き始めてしばらく経つのにまったく日の目を見ることなくおとなしくEvernoteの中に鎮座しています。

とりあえず今日書きたいのは2点。


1点目は「ジャックナイフ・ガール」と「バッドカンパニー」読みましたということです。

作者の深町さんの作品らしく美人で異常に強い(怖い?)お姉さんが出てくるのですがとても面白い作品でした。これはちゃんと感想を書きたいので詳しくはそちらに書きますが、エンターテイメント性が高くてそれだけでも十分楽しめるのに、物語の背景だとか設定だとか舞台だとかそういった部分についてあれこれ考察するのも楽しくて読みながらも読んだ後も楽しめる傑作です。


どちらもよかったけどわたしはバッドカンパニーの方が好き!


そしてもうひとつ。

ベッキー....の話題は言いたいことが多すぎるので後日書くとして、先日軽井沢のバス事故で亡くなられた学生さんのお父さんがお通夜のあとにコメントを発表したというので読んでみました。ご家族を亡くされたばかりなので無理にコメントを出さなくてもいいんじゃないかと思いながら読み始めたのですが、読みながら泣きました。

わたしも二人の娘をもつ親なのでこのお父さんの気持ちを想像するだけで何も言えないくらい胸が苦しくなるのですが、そんなつらい状況の中でこんなコメントをまとめられたということにただただ驚きました。

「本当に明るく、誰とでも仲良くできる自慢の娘でした。真理絵は突然の事故により、非常に短い人生を終えることになりましたが、多くの友人や恩師のお言葉を聞き、とても楽しく、充実した22年間を過ごせたことが分かりました。今回の事故については、憤りを禁じ得ませんが、多くの報道を見ていると、今の日本が抱える、偏った労働力の不足や、過度な利益の追求、安全の軽視など、社会問題によって生じた、ひずみによって発生したように思えてなりません。今回の事故については、警察によって原因と責任の追及がなされ、また、行政による旅行業者の問題の洗い出しや、改善が行われることを期待しておりますが、すぐによくなるものではないと思っております。きょうも多くの若者がバスツアーに出かけているでしょう。ぜひ、自分の身は自分で守るということを考えてください。優先順位を間違えないこと、安全は『マスト項目』であり、費用削減は『ウォント項目』であることを冷静に考えてほしいと思います。今回の事故につながったツアーに関して、私たちは娘を信用しきって、内容をほとんど確認せずに参加させてしまいました。あとの祭りにはなりますが、『ツアーがどんな内容か』とか、『ちゃんとシートベルトを締めろよ』とかの声がけをすべきであったと悔いております。親兄弟、おじいちゃんおばあちゃんとして、子どもたちに何が大切なのかを気付けるような声がけをしてほしいと思います。お節介だとか、うざいとか思われるかも知れませんが、年長者の役割のように思っております。1月15日は、私たち家族やほかの遺族にとっては命日になりますが、報道関係者や旅行業者の関係者などにおかれましては、このような事故が起こらないように、毎年、何らかの発信、行動をなすようにしていただければ、今回の事故の犠牲者がみなさんの心の中に生き続け、安全に対する心のたがが緩むことを防げる一助になるのではないかと思っております」。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160120/k10010379661000.html

娘を失って数日しか経っていない状況であれば、わたしならもう泣き続けることしかできないだろうなと思うし、仮に日が経って多少落ち着いたとしてもこんなふうには書けないと思います。わたしが同じ立場だったら、運転手や旅行会社、バス会社への恨みつらみを罵倒を織り交ぜながら書き連ねるのが精いっぱいだろうというのは想像に難くありません。


今日は朝にこの記事を読んだのですが、一度読んだらもう頭から離れなくなってしまってEvernoteに保存しておいて何度も何度も読みました。読んで読んで気付いたのは、決して無理に冷静にふるまってこういうことを書いたのではなく娘の死が無駄になってしまうことがもっともつらいからこそこういうことを書いているということでした。

この事故がただの偶発的な事故として終わってしまうと、ただ運が悪かったで終わってしまう。
大事な娘を失った理由が「不運だった」というのはあまりにあまりなので、そうではなくてこの事故をきっかけに社会が変わっていく出来事になったんだという何かしら意義をもつものになってほしいと切実に願う気持ちが伝わってきました。


帰ってきてからも何度も何度も読んでいます。