「闇金ウシジマくん」見たよ


違法な金利でカネを貸し付ける闇金業者「カウカウ・ファイナンス」社長・丑嶋馨(山田孝之)。ある日、借金の回収で訪れたセレブたちのホームパーティーで、イベント系サークル代表のジュンと出会う。数日後、カウカウ・ファイナンスを訪れたジュンは、殊勝な表情で主宰するイベントの資金調達のため「金を貸してほしい」と申し出るが…。

『闇金ウシジマくん』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。

ドラマはシリーズをとおして未見でしたが、特にわからないことや理解できないこともなく、おおむね楽しく鑑賞できました。主要な登場人物たちの人となりを理解するにはちょっと映画だけだと物足りなかったので、そういう部分を補完しておいて映画をフルに楽しみたい人はドラマ版を見てから見に行った方がいいかもしれません。
# わたしは見てませんが、足りない分は想像で補って楽しみました


さて。

あまり格言とか名言のたぐいは好きではないのですが、そんな私にもいくつか気に入っている言葉がありましてその言葉のひとつに「他人と比べるから不幸になる」というのがあります。

言葉の意味はもう字面のとおりでして「自分が幸せかどうかという判断基準を他人よりもいい状況にあるかどうかという相対的な位置関係で判断しようとすることが不幸への第一歩だ」ということです。

ちょっとだけ簡単に言い換えれば「自分が幸せなのかどうかは自分がそう感じているかどうかで判断しないダメだよ」ということであり、もっと簡単に言えば「人と比べ出すとろくなことがない」ということです。

それなら最初からそう言えって言われそうですが、言い換えるとニュアンスがやや異なってしまうので段階的に言い換えてみました。


この言葉は誰が言った言葉なのか全然分からないし、そもそも誰に教えてもらった言葉なのかもおぼえていませんが、私はこの言葉をことあるごとに思い出して自分の中に不幸になる種がまかれていないかどうかをチェックしています。


そして私が本作を観て思い出したのはまさにこの言葉であり、つまり「自分よりもたくさんのものを持つ人に憧れて身の丈に合わないものを望むことが不幸の始まりだ」ということです。


本作に出てくるお金を借りて返せなくて不幸になっていく人たちというのは、得てして不相応のものを手に入れようとした人たちであり、つまり自身に釣り合わない幸福や成功を知ってしまい、それと同じことを望んだがために不幸になってしまったというケースばかりなのです。


自分よりも生まれも才能にも恵まれている人の存在を知ってしまうことそれ自体もそうですが、その恵まれている人と同じことを目指してしまうことは大きな不幸の始まりだと断言します。等身大の幸せを自分なりに見つけ、それが満たされているかどうかで自身の幸不幸を判断すべきなんですが....。


もちろん若い時分からあまり身の丈を望んでばかりいるのも何だか寂しいし、成り上がることを夢見ていなければとても正気を保てないような生活を強いられている人もいるでしょうから何でもかんでも否定するつもりはありません。ですが、そうやって一発逆転を掴み取って成り上がろるためにはどこかで無茶をしないといけないわけでして、その部分においては「いまの自分」と「成功者としての自分」の間に不連続さが生じてしまうのです。

そしてそのギャップを埋めるためには、危ない橋を渡ったり分の悪いばくちを打たないといけないとなると、そこで一定数の失敗が生じることになって、そこで不幸になってしまうのです。


とは言え、人間のもつ欲求は際限なく膨らんでいくのが普通ですし、身の丈にあった幸せと言われてもなかなかピンとこないと思うのですが、だからこそ本作の中にたくさん散りばめられている幸せに生きるためのヒントをこの作品から学ぶべきじゃないかなと思ったのでした。


というわけで映画自体はおもしろかったのですが、あえて映画館で観たいか?と問われると、クラブのシーン以外はテレビで観た方が楽しめそうだななんてことを思ったのでした。



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