「しのびよる月」読んだよ

しのびよる月 (集英社文庫)

しのびよる月 (集英社文庫)

御茶ノ水署・生活安全課保安二係は斉木斉と梢田威だけの小世帯だった。小学校の同級生が御茶ノ水署で再会する。がき大将だった梢田が斉木をいじめた過去があった。それがいまでは斉木警部補と梢田平刑事。復讐に燃える斉木は、ことごとく梢田の出世を妨害し、日常業務に文句をつける。口論しながら推理も続け、神田お茶の水界隈の難事件迷事件を解決していく。ユーモア・ポリス・ストーリー。

http://www.amazon.co.jp/dp/4087472809/

小学校の時の同級生二人が警察になり、同じ課に配属される...というだけでもとてもユニークな設定なのですが、加えて小学校の時の上下関係と現在の役職上の上下関係が逆転しているという設定が非常におもしろそうでしたので読んでみました。


本作は6つの短編からなる作品なのですが、それぞれが独立した事件を描いているために長くて飽きるということもありませんでしたし、短編とは言っても主人公である二人の警官はすべて同じでしたので、読み進めることでそれぞれのキャラクターへの理解が深まっていって登場人物に思い入れがもてたので続けて読むモチベーションを保つこともできました。


ただ、当初おもしろいと感じた小学校の時の同級生という設定がいまいち使いこなされていないように感じてその点は少々残念でした。