「ちいさいモモちゃん」読んだよ

ちいさいモモちゃん (講談社文庫)

ちいさいモモちゃん (講談社文庫)

生まれたばかりのモモちゃんのところに、野菜たちがお祝いにやってくる!ママに怒ったモモちゃんが乗る電車が空を飛ぶ!?優しく温かい物語の中に、生と死、結婚と離婚など“人生の真実”が描かれるモモちゃんシリーズが、酒井駒子の絵と共に文庫に。『ちいさいモモちゃん』『モモちゃんとプー』収録。

http://www.amazon.co.jp/dp/4062770881/

表紙が酒井駒子さんで、帯の紹介文は角田光代さんで「私はこれを読んで、小説家になった」と書かれているという、わたしに本を買わせるにはこれ以上ないベストメンバーが勢揃いしていましたので内容も確認せずに2秒で買いました。

本作は、モモちゃんという赤ちゃんが生まれてから幼稚園に通うくらいまでのお話なんですが、まるで子どもが頭の中で作りだした世界をそっくり引っ張り出してきたような世界観がたいへんユニークでした。猫やニンジンが人間と同じように話したりする不思議な世界。そんな世界を最初はなんかその世界観を嘘っぽいというかくだらないなと感じてしまいました。率直に言えば読んでてうんざりしてしまうほどでした。

それでもこの本は角田さんに「これを読んで小説家になった」とまで言わせた作品なんだと思うと、飽きたと放り投げる気分にはなれず、とりあえず最後まで読んでみました。結論としてはやはりおもしろいとは感じなかったのですが、それでも「これが子どもの観ている世界なんだ!」と言われたらそうだよねと納得できるくらいには細部までうまく表現できている点はすごいなというのは感じました。
押し入れに閉じ込められたときにモモちゃんが観た風景なんかがそうだったのですが、自分も同じような経験をしたことがあるということを彷彿とさせられる、そんな描写がいくつかあってそこはすごく気に入りました。