サンタはどうやってクリスマスプレゼントを世界中の子ども達に配っているのか? その謎は、北極の氷の下にある画期的なウルトラ・ハイ・オペレーション・メカにあった。しかし、今回600万人の子どもの内、ひとりだけプレゼントを配達できなかった。サンタと彼の超エリートの息子、スティーブは“仕方ないミス”と捉えていたが、末っ子のアーサー・クリスマスはこのミスがどうしても許せなかった。クリスマスの夜が明けるまでの2時間、彼はその子どもの家にプレゼントを届けることを決意するが――。
『アーサー・クリスマスの大冒険』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮でハホ*1と観てきました。
サンタクロースたちがクリスマスの夜に20億個のプレゼントを配布したんだけど、そのうちのひとつだけを配達し忘れてしまったためにサンタの息子がそれを配達しに行くというお話。
まあなんとなく言いたいことはわかるんだけどもうちょっと別の表現の仕方はなかったのかなとモヤモヤしてしまったし、キャラクターも一部魅力の感じられるキャラクターもいるものの、主軸となっていたキャラの大半が惹かれるところのないモブみたいな感じでしてひとつの作品としてみるといまいちおもしろくありませんでした。
期待していただけにちょっと残念だったな...。
本作を観ていてふと思い出したのが、先日再読しなおしたばかりの「モダンタイムス」という小説です。
伊坂幸太郎さんの本でして、ドラマにもなった「魔王」という小説の50年後を描いた作品です。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/14
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くわしい感想は別に書こうと思うのですが、この作品が描いているのは「多くの仕事が完全に細分化されてしまったために、だれも全体が把握できなくなった世界」です。そして、全体を知ることが極度に困難になってしまうと、その仕事がもたらす結果を想像しようという人はだれもいなくなり、最終的にどんなひどいことや悪いことであっても罪悪感をもたずにやるようになってしまうというそんなお話でした*2。
本作におけるサンタやスティーブというのは、本来であれば全体、つまり最終的に求められる成果として「すべての子どもたちに漏れなくプレゼントを配布する」ということを理解していなければなりませんでした。ところが、何年も何年も同じことを繰り返し行い、そしてそれらをシステマティックに効率化していくその過程において、全体を把握することは放棄され、目の前の「プレゼントを出来るだけ多く配布する」という部分だけが最適化されてしまったんですね。
それが失敗の原因であり、この作品においてはアーサーが全体を把握できる立場の必要性を見せつけるというのが本作のお話だったわけです。なんていうか説教くさいなーという印象ばかり残ってしまいました。
ちなみにいっしょに観に行ったハホに映画はおもしろかったかどうか聞いてみたら「あんまりおもしろくなかったから、途中からほとんどおぼえてない」と言われました..。
なんだよ...。
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