「ハウスメイド」見たよ


裕福な屋敷でメイドとして働くことになったウニ。そこでは、優しい主人・フンと妻、娘、昔からそこで働くメイド、ビョンシクが暮らしていた。ビョンシクに厳しく指導されながらも、無邪気に笑顔をふりまき懸命に働くウニは、ある日フンに求められるまま男女の関係をもってしまう。その後、邸宅では次々と不可解な出来事が起こり始め――。

『ハウスメイド』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。


不穏な結末を予感させる予告が大変おもしろく、これは観てみたいと気になったので観に行ってきました。
超お金持ちなお宅でメイドとして働くことになった女性が散々な目にあうというお話なのですが、何だか登場人物の設定がいまいち現代っぽくなくて、例えば日本的な感覚で言うと"昭和っぽい"といえば伝わるかもしれませんがそんな雰囲気がただよってるんです。

さらにストーリーはこれまたひと昔の昼メロ然とした内容でして、目新しさはまったく感じられず惹きつけられるところがまったくありませんでした。もっと血で血を洗う的な激しいドロドロな展開になればまた作品に対する印象も違ったのかもしれませんが、「こういう話にすればお家騒動っぽいよね」的な力の入ってない感じがまた安っぽい空気を助長しているように感じられたのです。


で、エンドロールを観て初めて知ったのですが、この作品は「下女」という50年以上前の作品のリメイクにあたる作品だそうでして、そういわれるとこの古めかしさや何かにとらわれているという印象にもなるほどと首肯できました。


そんなわけで、作品全体に対して言えるのはなにか強いこだわりがあって撮ったと感じる部分がほとんどないということであり、いずれのシーンもそれっぽさを出すためのうわべだけの表現で作られたようなそんな印象を受けるんです。張りぼてというと言い過ぎかも知れませんが、とにかく脚本を書いた人なのかそれとも演出をした人なのかもしくはその両方なのかはわかりませんが、自分の言葉で語ろうとしていないことにすごくイライラしてしまいました。


そんなわけでストーリーや演出についてはまったく惹かれるところがありませんでしたが、映像については非常におもしろいと感じる部分があってよかったです。とりわけわたしが気に入ったのは、視点を投げかける人物を中心に配置して、その人物の後ろ側から奥に向かって左右にそれぞれ人物を配置させる構図です。
言葉だとうまく説明できないのですが、仕事から帰ってきたフン(お金持ちの家の男)がお風呂場の扉を開けたらウニがやたらとセクシーな姿で掃除しているシーンがその一例です。左側には赤いライトに照らされた妻、右側には蛍光灯に白く照らされたウニを映し出すシーンにはなんとも言えない不思議な魅力を感じましたし、まるでフンの心境を反映させたような映像にはドキッとしてしまいました。


悪くはないと思うのですが、説得力に欠ける作品だと感じました。


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