「任侠ヘルパー」見たよ


指定暴力団「隼会」を抜け、堅気として生きる覚悟を決めた翼彦一(草なぎ剛)は、コンビニの店員をしながら暮らしていた。ある日、フルフェイスのヘルメットを付けた男が強盗に入る。難なく彦一によって取り押さえられ、男のヘルメットを取ると、そこには金に困り、強盗を働いたヨボヨボの老人の姿があった。彦一はレジから金を掴み出し、老人に渡し、逃がしてやる。金は後で返すと言った彦一だったが、男ともみ合った拍子に見えた刺青によって、彦一が元ヤクザと知ったコンビニの経営者には信じてもらえず、警察を呼ばれ逮捕されてしまう――。

『任侠ヘルパー』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。


ドラマ版は未見でしたのでその映画化である本作品も観る予定はなかったのですが、観た人の評判がとてもよくて気になったので観てきました。

観るまでは、パッと見だとすごくおとなしそうに見える草なぎ君がやくざ役でいいの?と不思議に思っていたのですが、不言実行で任侠道を貫く人物を見事に演じていてものすごいハマり役でした。相手にケンカをふっかけられたらボコボコにするし、ヤラせてくれそうなキャバ嬢には遠慮なく手を出し、さらには闇金や行き場のない老人の養護施設の運営にも手を出すというありさまでして、つまり彼は紛うことなきやくざであって決していい人なんかじゃないわけです。

ところが悪行を働く一方で、自分が食いものにしている弱者にもつい手を差し伸べてを助けようとしてしまうという一面もあわせもっていてそこがまた人間臭くておもしろいなと思うわけです。


もちろんやくざが少し優しくしたからといって彼は本当はいい人なんだと思うのは間違っています。

そもそもそういう「脅してから優しくする」というギャップ戦略はやくざが人を懐柔する際によく使う手ですので、優しくされたからといって相手をいい人だと判断するのは早急にもほどがあるのですが、でもこの作品の中で草なぎ君演じるやくざが見せる優しさというのは彼が本来内面に持ち合わせている優しさがふっと顔を見せているという印象を受けるのです。

自分が歩む道として選んだ極道。
その世界で生きていくために身につけた、やくざらしい振る舞いのその隙間からかいま見せる彼の優しさというのは、決して相手を取りこむためにいい人ぶろうとしているのではなく、彼が生来持ち合わせたものであるということがはっきりと伝わってきてそれがまたすごく人間らしい仕草として感じられたのです。

いままで草なぎ君が出ている映画は何本か観たことがありますが、その中でもこれが一番適役だったし彼の主演作品の中でも断トツでおもしろかったです。


ただ、出だしのところで気になったのが、なぜ彼がコンビニでバイトをして糊口をしのがなくてはならなくなったのか?ということでした。
結局その部分に関する説明がまったく無かったところを見ると、おそらくドラマがそこに関係してくるんじゃないかと思うし、さらに途中でメイサが出てきてなんかかっこつけていろいろとしてくれるのですが、やはりこちらもドラマでの関係が持ち込まれていたようでした。

ドラマを見ておけばよかったなと後悔しつつ、時間が取れたらドラマを見なおしてからもう一度映画を観たいなと思いました。


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