「怪盗グルーの月泥棒」見たよ


郊外の住宅地に建つ一軒の黒い家。そこに住むのは、史上最大級の強奪を企てるひとりの男、怪盗・グルー。なんと彼が仲間のミニオンたちと企てているのは、 “月”強奪作戦! 何につけても意地悪でイヤミ男のグルーは、自分の前に立ちはだかる者全てを叩きのめした。だがある日、孤児院に暮らす元気いっぱいの幼い3姉妹に「未来のパパ」として懐かれてしまい、彼の人生は大きく変わってしまうことに…。世界最悪の悪者は、人生最大のチャレンジに直面する!

『怪盗グルーの月泥棒 3D』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。


3D作品なんて....と言いながらも、結構いいペースで3D映画を観ているような気がしますが、それはひとえに多くの映画館では同一作品の2D/3Dの併営なんてしないからなんですよね。よほどの大作*1でなければまず3Dだけという場所が多いんじゃないんでしょうか?
観る立場で考えると両方やってくれたら嬉しいのですが、サービスを提供する立場で考えれば手間もコストも2倍かかるのにお客さんは分散されるだけで売上は増えないわけですからやるメリットがないというのはとてもよくわかります。
なので、正直2D/3D問題についてはあまり大きな声で文句を言いたくはないのですが、それでも3D鑑賞料金が+400円に値上がりしたわけですから別段3Dじゃなくても...という作品については出来るだけ2Dで観たいなあ(言い換えれば400円も追加で出したくない)という時もあるわけで、3Dしかないんだったら観るの止めたっていうケースも少なくない割合であります。


わたしは今まで10本以上は3D映画を観ていると思うのですが、3Dで観てよかった!!と思ったのってほとんど思い当たりません。「アバター」と「コラライン」あたりは間違いなくよかったのですが、それ以外だと正直3Dじゃなくてもいいような内容ばかりです。単純に計算しても「3Dで観てよかった率」が1割ととても低いので、それだけ考えても3Dで観るモチベーションがあがらないのは当然だと言えます。


さて。本作についてですが、本作も多くのシーンは3Dである必然性は感じられなくてその点で言えば上述の観てよかった作品としてリストアップされることはないと思います。ただ、個々のシーンで言えばジェットコースターに乗るシーンなんかは3Dならではの臨場感が感じられてとてもよかったです。そういった見どころが無くもないので頭ごなしに3Dはダメとは言えないのですが、でもそのいくつかの面白いシーンのためとは言え、100分ずっとメガネをかけているのは目が疲れるし大変でした。


それとストーリーについてですが、子ども嫌いな泥棒が日常を過ごすうちに彼女たちと心を通わせていくというスタンダードな内容でしたが、何か大きな出来事によって子ども達の心が一気に変わるのではなく、日常を送る中で少しずつ溶け合うように仲良くなっていく様子がとても感じられてじんわりと暖かい気持ちになりました。
で、一連の流れの中でも、グルーが子どもたちと仲良くなる最初の一歩が「寝るときに本を読んであげる」というものでして、これが本当によかったんですよね。それまでは同じ家の中にいながらも関わるのすらめんどくさいという感じだったグルーが、渋々ながらも子どもたちに本を読んで聞かせるという歩み寄りがその後の関係の変化を生み出す第一歩になっているというのはすごくわかるなーと感じたのです。
「こんなことくらいで子どもとの関係なんて変わらない」という人もいるかも知れませんが、全然そんなことはないんです。
本当にびっくりするくらいささやかなことで子どもとの関係って変わっていくんです、いい方向にも悪い方向にも。


これ以外にも細部の表現がとても丁寧で、ディテールの表現のうまさに強く共感を覚える作品でした。


公式サイトはこちら

*1:例えば最近だと海猿なんかはどちらも上映してるところが多いみたいです