「NINE ナイン」見たよ


1964年、イタリア。世界的に有名な映画監督、グイド・コンティーニは新作映画の撮影に取りかかろうとしていた。しかし、撮影を10日後に控えるのに、スタッフはおろかプロデューサーすらタイトル以外は何も知らされていない状況。追い詰められたグイドは自分の幻想世界に逃げ出してしまう――。フェリーニの名作『8 1/2』に着想を得て、才能ある映画監督が周囲の女性を次々と手玉に取ろうとする姿を描いた物語。ダニエル・デイ=ルイスをはじめアカデミー賞受賞者勢揃いのキャストとスタッフで贈る、ゴージャスで艶美なブロードウェイの大ヒットミュージカルの映画化。

『NINE ナイン』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


おもわず体が動き出しそうになるほどテンポがよくてリズミカルな音楽が魅力的な作品でした。セクシーな女性がその美声を響かせて踊り狂う姿には体のいろんな部分が熱くなってしまいました。こういうノリはすごく好きですし、性的な魅力にあふれた女性陣が全身をくねらせておどり狂う姿を見られただけでわたしは今まで生きてこれたことを感謝せずにはいられなくなります。


ただ音楽やダンスのすばらしさに感心させられる反面、どうしてもなじめなかったのがメインストーリーとミュージカルシーンが完全に分断されていたことです。いままでわたしが観てきたミュージカルというのは、ストーリーにミュージカルが組み込まれていったいとなっているものばかりでした。ストーリーの中で、喜びや悲しみ、怒り、そういった感情を音楽にのせて効果的に表現するのがミュージカルのよさだと思っていたのですが、この「NINE」という作品はそうではなくて、グイドが過去や妄想に思いをはせたり現実逃避するシーンにミュージカルシーンが割り振られています。つまり、メインストーリーとは切り離されて突如ミュージカルシーンが始まり、そしてそれもまた突如終わってメインストーリーへと戻るという流れになっているのです。
それがどうも気持ち悪いというかなじめなくて、ミュージカルシーンのよさを台無しにしていてもったいないなと感じました。


あとストーリーは非常におもしろくて、人間が発揮できる創造力の源泉やその源泉が枯れたときはどうすればいいのかということが描かれていたのが印象的でした。これについてはまたあとで何か書きます。


個々のシーンはすばらしくよかったのですが、構成がそれを壊してしまったのが残念な作品でした。


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