「小生物語」読んだよ

小生物語 (幻冬舎文庫)

小生物語 (幻冬舎文庫)

多数の熱狂と興奮を喚んだ現代の「奇書」がついに文庫版で登場。希代のミステリー作家・乙一の波瀾万丈、奇々怪怪にして平穏無事な日常が独特の“ゆるゆる”な文体で綴られる。虚実入り交じった小説家の一六四日間をご堪能ください!文庫書き下ろし日記(三日分)付き。

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最初から最後まで「どこまで本気でどこまでが冗談なのかがとても区別がつきにくい」文章が綴られていて、いかにも著者らしいノリで書かれた楽しいエッセーでした。著者の作品をまったく知らない人がこのエッセーを読んだら「こんなふざけた日記が本になるなんて...」と怒りに全身をプルプル震えさせずにはいられないほどどうでもいい内容がくだけた文体で書き綴られていて、著者のファンであるわたしには非常におもしろかったです。
今まで著者の本を読んでも書き手の姿というのがまったく想像出来なかったのですが、この本における文章には著者の日常がチラチラと顔をのぞかせていたおかげで著者のひととなりがわずかですが見えてきたようなきがしました。ゲームや映画、そしてラジオが好きだという点は著者らしいなーと感じたし、既に結婚されているという事実には少なからず驚かされたのでした。さらにそのお相手が押田守氏の娘さんでしかもとてもかわいい人だとは....。才能というのは惹かれあうものなんだなとシミジミ感じたのでした。


著者の作品が好きな人にはお奨めです。