「パラノーマル・アクティビティ」見たよ


平凡な一軒家で幸せに暮らすある若いカップル。だがある晩、家の様子がいつもと変わっていることに気がつく。自分たちの家が何らかの悪霊にとりつかれているのではないかと疑った彼らは、それを立証するため家中にビデオカメラを設置する。真夜中、2人が眠りについた後、家では一体何が起こっているのか? ビデオには衝撃の映像が映っていた…。

『パラノーマル・アクティビティ』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。
公開初日のレイトショーを観てきたのですが、かなり混み合っていてびっくりしました。
と言いつつ、実は上映開始時間の2時間前にネットでチケットを取った時点で既に席の大半が埋まっていたために混んでいることはわかっていたのですが、それでも実際に満席になってしまった場内を目の当たりにするとおどろきを隠せません。上映したシアター自体が比較的狭い劇場だったので鑑賞した人数そのものはそれほど多くはないのでしょうが、それにしたって混み過ぎだろ...と愚痴りたくなりました。低予算で撮ってぼろもうけしたという話はたしかに話題になっていましたが、それにしたってこんなに多くの人が駆けつけるような作品とは思っていなかったので予想と現実とのギャップに衝撃を受けたのでした。
いま思い返してみると、作品を観て受けた衝撃よりもこのときに受けた衝撃の方がよほど大きかった気がします。
つまりはそういう作品でした。


本作はある女性(ケイティ)の身の回りに起きるようになった奇怪な現象を調査するため、ボーイフレンド(ミカ)がカメラ片手に奮闘するぞと意気込むところから物語は始まります。物語はあくまで事実のみで構成されているという印象を与えるためなのか、物語の視点は常にビデオカメラからの視点に限定されています。この手法をとったこと自体はとても功を奏しており、あたかも本当にこんな出来事が記録されていたかのような錯覚をおぼえるほどでしたが、ただこの路線には偉大な先駆者である「ブレアウィッチ・プロジェクト」という作品があるわけで、つまり何となく二番煎じというイメージから抜けられずにそれにずぶずぶと漬かりきってしまったような気がします。


わたし自身は別に目新しさを求めていたつもりはなかったのですが、それでも二番煎じという印象が残ってしまったことで作品そのものの良し悪しではなく類似していると感じたブレアウィッチとの比較に終始してしまったのは反省すべきだと感じました。
映画に限らず、先入観をもってしまったことはマリアナ海溝よりもふかく反省したいところです。


あと、もうひとつ感じたのはサービス精神がすごく足りなかったということです。
基本的に、この手の怖い作品を観に行くときは思う存分わたしを怖がらせて欲しいと願いながら観に行くわけですが、そういった鑑賞者の期待にはいっさい応えてくれなかったことに少々物足りなさを感じてしまいます。リアリティある映像に組み立てるために、演出らしい演出はいっさい控えていたようですが、そこにわたしは物足りなさを感じてしまったのでした。もっとガオーと襲ってきたり、ドンドンと大きな音を出してわたしを怖がらせてほしかったです。


というわけで、怖いものが好きな人には物足りないでしょうが、ふだんあまりホラー/パニック映画を観ない人にはちょうどよい作品だと思います。


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