貧しい村の口減らしのため、山に棄てられる老女たち。しかし、山の裏側では、棄てられたはずの彼女たちが苛酷な環境下で集落を作り、生き永らえていた。復讐を誓う者、静かな人生を願う者、移住を望む者…。老女・カユも他の老女同様、捨てられ死ぬことを当然と受け止めていたが――。
『デンデラ』作品情報 | cinemacafe.net
MOVIX宇都宮にて。
映画館にポスターが貼ってあったのでこの作品の存在自体は知っていましたが、たぶん観ることはないだろうなと思ってました。
鑑賞料金が1000円という点だけはちょっと気になったのですが、姥捨山という題材そのものに興味がなかったですし、出てくるのがものの見事に老女ばかりと惹かれるポイントが1nmもありませんでした。おれ、熟女も興味ないのに老女なんてさらに興味ないよ...。
そんなわけでスルーする気満々でしたが、TLでのあまりの盛り上がりっぷりにのせられるように観に行ってきました。
まず、映画を観た直後の気持ちを一言であらわすと「ものすごいものを観てしまった...」です。
70歳を過ぎると村の食い扶持を減らすために年寄りが山に捨てられるというのは姥捨て山の基本設定なのでまあ分かるのですが、冬山に捨てられた老女が実は生き延びて集落を作り、そして捨てた村人たちに復讐を企てるっていうのはもうホラーの領域ですよね。
「死んだはずの人間が生き返って*1襲ってくる」っていうのはまさにゾンビ映画と同じ展開ですので、これはもうおもしろくないわけがないですよね。何年も前に雪山へ捨ててとっくに死んだと思ってた婆さんが武器を片手に襲ってくるなんて、これほど怖いシチュエーションはないと思います。怖過ぎる!
そしてそんな村人への復讐に燃える老女たちの前にはいくつもの問題や敵が立ちはだかってこれがまたものすごい展開をみせます。
老女50人 vs 人食い熊という歴史に残りそうなくらい激しいデスマッチや、何となく出たおならの音に誘発されるように発生する雪崩など、どれも忘れたくても忘れられないくらいの強烈なインパクトを観る者に与えます。たぶん観てない人は何を言ってるのかさっぱりわからないと思いますが、観たはずのわたしもあれは白昼夢だったんじゃないかという気がしています。そのくらいのつよい衝撃をわたしはこの映画を観て受けたし、それにすごく興奮をおぼえたのです。
いままで観たことのない世界がこの作品の中にはあって、そしてそれが言葉だけでは評しがたいくらいにおもしろい作品でした。
どうあってもこの作品のよさを伝える自信がないので、ぜひその目でこの作品のすごさを見ていただきたいです。
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