「96時間」見たよ


初めての海外旅行で訪れたパリで、何者かに誘拐された17歳のアメリカ人少女・キム。そのとき、偶然にも携帯電話で話していた父親のブライアン(リーアム・ニーソン)は、愛する娘を襲った悪夢のような出来事に胸を引き裂かれる思いでいた。そして、受話器の向こうからキムの悲痛な絶叫が聞こえたとき、ブライアンは心に決めた。地獄の果てまでも犯人を追い詰め、自らの手でキムを必ず奪還してみせると…。政府の元工作員として幾多の修羅場を潜り抜けてきた彼は、あらゆる危機に対処できる特殊なスキルを備えていた。そして、キムとの通話の音声から犯人の一味はアルバニア系の人身売買組織だと判明。過去の事例から、事件発生から96時間が過ぎると被害者は救出不可能だという。わずかな手がかりをたどって単身パリへ発ったブライアンは、暴力と欲望が渦巻く暗黒の迷宮へと突き進んでいく。しかし、キムを救い出せるタイムリミットは刻一刻と迫っていた――。リュック・ベッソンが製作を務めている。

『96時間』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


毎年父の日が近づいてくると、「理想の父親だとおもう芸能人ランキング」みたいなニュースが飛び交います。
ちなみに今年オリコンが実施したアンケートではつるの剛士が1位だったそうです。

6月の第3日曜日といえば“父の日”。オリコンが昨年に引き続き『理想の父親だと思う男性有名人』についての調査を10・20代の男女を対象に実施したところ、1位には俳優の【つるの剛士】が選ばれた。

つるの剛士、理想の父親ランキング1位に「嬉し恥ずかしな気持ち」|キャリア関連ニュース|オリコン顧客満足度ランキング


たしかに、彼は見た目もかっこいいし、楽器も出来るし、ウルトラマンだったから子どもにも人気があるしと10代20代に受ける条件はそろっているためにこの順位もたしかに妥当と言えそうです。家族にも優しそうというのも何だかわかる気がします。
子どもが父親に求めるものというのは人それぞれさまざまでしょうが、やさしく接してくれ、友達や周りの人たちに自慢できる父親であってほしいという気持ちは多くの子どもに共通した願いではないかと思います。


ただ、わたしは思うのです。父親は「かっこよければいいのか?」「やさしければいいのか?」と。
もちろんぶさいくよりはかっこいい方が絶対によいし、意地悪よりもやさしい方がいいに決まっているのですが、でもそれってあくまでオプションとしての要素であって父親という役割に対する要求事項の核ではないと思うわけです。
じゃあ父親に求める一番大事な要素ってなんなの?って話になるわけですが、わたしは強さだと思っています。


強さといっても単に腕っぷしが強ければいいというわけではなくて、求められるのは「家族を守るため」の強さ。
腕力、知力、権力、さまざまな形の力がありますが、そのいずれでも構わないからとにかく家族を守るだけの器であることが父親には求められとわたしは思うのです。


さて。本作はパリで人身売買集団に誘拐された娘を取り戻すために奮闘する父親の物語なのですが、この父ちゃん、ブライアンが半端じゃなくかっこいいのです。
目的達成の邪魔になるものは全部壊しながら突き進むそのストレートさと力強さには強烈に惹かれたし、大事な家族に手をかけた敵の言い分は一切聞かず、甘言で誘惑しようとする輩からの交渉にも一切応じないその妥協のない振る舞いには、わたしが父親という存在に求める理想の姿が凝縮されていると感じたのです。
最優先すべきは子どもの命であり、それ以外は屁とも思っていないその極端なところもまたいいんですよねー。


「ねえ、君お金あげるから許してよ」と言われても絶対に許さない。
「分かった。情報を教えるから許してよ」と情報を聞いても、絶対に許さない。


そうなのだ。自分の大事な子どもを売買しようとした奴らを許せるわけがないのだ。ブライアンの行動は至極もっともであり、こんな奴らを許す必要などないし、そもそも許すかどうかを検討する必要すらないのだ。
ブライアンの行動の容赦のなさは子を思う親の気持ちの強さを表していると感じたし、娘をもつ親としてわたしは彼の気持ちに共感できる部分も多くてとても身にしみる作品でした。


わたしはこういう父ちゃんになりたい。


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