18歳のジョニ(ミア・ワシコウスカ)は、母親ニック(アネット・ベニング)と父親が同じ15歳の弟・レイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)、レイザーの母親ジュールス(ジュリアン・ムーア)の4人暮らし。少し変わった家族だが、幸せな生活を送っていた。ある日、ジョニは大学進学を機に、レイザーと会ったことのない父親に会いに行く。しかし、このことが2人の親にばれてしまい、家族に少し異変が起き始め…。本当の家族、本当の愛情とは何か? リサ・チョロデンコ監督が自身の人生観を大きく反映させ作り上げた感動のヒューマンドラマ。
『キッズ・オールライト』作品情報 | cinemacafe.net
(注意)
本エントリーは結末にふれている部分がありますので、未見の方はご注意ください。
TOHOシネマズ宇都宮にて。
ちょっと変わった構成の家族がお送りする心温まる物語...っていうのが、一般的な感想になるのでしょうが、正直わたしは観ててすごくこわいと感じた作品でした。劇場でこんなにビビったのは「REC」観て以来です...。
感想に入る前に簡単に物語の流れをまとめますと、精子バンクから同じ人の精子の提供を受けてそれぞれ子どもを生んだレズの夫婦ですが、大きくなった子どもたち(姉の名前はジョニで弟の名前はレイザー)は自分の父親がどういう人間なのかということに興味を持ち、そして無事父親のポールと会うことができます。
# ややこしいので、公式サイトから相関図を拝借しました
子どもたちは少しずつポールとの距離を縮め、そしてポールもまた不意にできた血のつながった子どもたちとの関係を楽しむようになっていきます。さらにレイザーの母親であるニックも、新しい仕事へのきっかけを作ってもらったことをきっかけに打ち解けあうのですが、打ち解けすぎてつい肉体関係をもってしまいます。
母ちゃん、レズじゃなかったのかよ...。
ニックとポールの二人はうまく浮気を隠し通していたのですが、ある日そのことが家族にばれてしまいギクシャクすることに。あれこれ揉めにもめた結果、精子を提供しただけのポールは血のつながりはあるんだけど家族じゃないから許せなくて、家族として長い時間を過ごしてきたニックは反省もしてるし許ちゃう!となって、家族がまた一致団結して大団円というお話です。
わたしがこわいなーと思ったのは、ニックが許されてポールが許されなかったという事実。
もちろん一緒に過ごした時間の長さや、その中で築かれた信頼がベースにあるということは認めるとして、でも「浮気をした」という罪の重さは変わらないのに片方が許されないまま終わるというのは正直やるせないことこの上ありません。まさに家族とは血縁ではなく、一緒に過ごした時間の中で形成されるコミュニティであるというのが本作の主張であり、「血が繋がってるだけで家族だと思うなよ!」という、日常的にあまり父親らしいことができていないわたしには脅しとしか受け取れず、後半は超ブルーになりながら鑑賞したのでした。
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