さいきんよく思い出す映画のこと

記憶力が衰えたせいなのか、以前観た映画の半分以上は詳しく思い出すことが出来ません。観たという事実とおおよその流れくらいは思い出せますが、どこがよかったとかつまらなかったとかということまで思い出せるのは3割にも満たない気がします。せっかく観たのにもったいないなーと思う反面、観たこと自体を忘れてしまいたい映画も少なからずあるわけですから忘れることも大事なことだとは思っています。
ですが、悩ましいのは「ぜひ忘れてしまいたい作品のトップランカー」たちは負のパワーが強すぎてなかなか忘れられないということです...。この間も自分が無意識のうちに鼻歌を歌っていて「これ何の曲だっけ?」と考えてみたら「伝染歌*1」でしたーなんてこともあったりして、この意識への根付き方の強力さには本当にがっかりさせられます。


そんなわけで「観た映画(ただしおもしろかったの限定)のことは忘れたくない」と思いながら毎日を過ごしているわけですが、いまさらながらこういうときにはブログがとても便利だなと実感しています。わたしは簡単なあらすじと感想をまとめてあるので、「あれってどういう作品だったっけ...」というときにはすぐにブログから当時の感想を引っ張り出すことが出来ます。そして自分の書いた感想を取っ掛かりにして当時の見た記憶がよみがえってくることも多いので、最終的には文章には書かれていないようなわずかな感情も同時に脳にリストアされることになります。本もそうですが、観たことを記録にとどめておくのってとても大事です。


と、主題に関係のない話はここまでにして、こんな忘れっぽいわたしですがさいきんふとした瞬間に思い出してしまう映画があります。


街のあかり [DVD]

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周囲からは相手にされず、女性にはだまされ、人生の負けという負けを味わい続けるコイスティネンという一人の男性の作品でして、本当におどろくほど終始ほとんど救いのない作品で観た当時はあっけに取られた記憶があります。そしてほとんど救いがないからこそ、わずかに見えた希望がとても印象的だったわけですが、ここ数日くらい、たとえば会社からの帰り道とか何かの待ち時間にボーっとしている時にふとこの作品のことを頭のなかで反芻していることが多くなったのです。


コイスティネンと自分に重なる部分があるのかと考えてみても特にそのようなことはないですし、元々忘れられないほど大好きな作品でもなかったわけで、いったいなぜ今になってこの作品のことが気になっているのかとても不思議でなりません。
でもせっかく思い出したのですから、ひさしぶりにDVDでも借りてきて鑑賞してみようかなと思います。


という、長い長い備忘録。

*1:聴くと死んじゃうという某アイドルグループが主演していた映画です