アンダーワールド:ビギンズ


数世紀もの間、闇の世界ではヴァンパイア(吸血鬼族)とライカン(狼男族)の闘いが繰り広げられていた。その闘いは、ある一人の美しき女処刑人・セリーン(ケイト・ベッキンセール)を誕生させることになる…。遠い昔、ライカンがヴァンパイアの奴隷だった時代。セリーンに生き写しの女戦士・ソーニャ(ローナ・ミトラ)がいた。ヴァンパイア族の長老・ビクター(ビル・ナイ)の娘・ソーニャと、ライカン族のルシアン(マイケル・シーン)は密かに許されない恋に落ちていた。種族を超えたこの愛が、闇の世界を血闘の渦に巻き込んでいく――。

『アンダーワールド:ビギンズ』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。
アンダーワールド」シリーズの3作目...というのは観終わってから初めて知りましたが、過去の作品を観ていなくてもそれなりに楽しめる作品でした。PG-15とあったので、一体どんな過激なシーンが...と期待していったのですが、心が躍るようなシーンがまったくなくてその点は非常にがっかりしました。ライカンたちの首がチョッキンと切られるところや、作品の後半で「とある」ヴァンパイアが日光に当てられて処刑されるシーンの燃え尽き具合はなかなか見ごたえがあったのですが、年齢制限に該当しそうな箇所は本当にそのくらいしかなくて、「PG-15だったらもっとセクシーなシーンがあっても...」という私のささやかな期待はほぼかなえられることはありませんでした。ポロリがあってもよかったのになとその点は非常に残念でなりませんでした。


本作を鑑賞して面白いなと感じたのは以下の2点。

1. 同じ事をしているシーンでも思い入れによって見え方が大きく異なる

この作品の冒頭ではヴァンパイアのソーニャがライカンに襲われ、城にまで攻め入れられるシーンで始まります。そして最後の方では集結したライカンたちが再度ヴァンパイアの城を攻め立てます。前者と後者でやっていること自体はまったく一緒なのですが、見ている側の心持ちが違うためか、見え方がまったく異なるのです。


わずか1時間程度、作品の世界に触れただけで視点の置き場所が全く変わってしまうのは非常に興味深かったです。


2. 知と暴の戦いの面白さ

城壁を築いて自分たちを守り、さまざまな武器や道具を開発して人間やライカンを統治するヴァンパイアと、圧倒的な暴を持ちながらもヴァンパイアたちの牙城を崩せずにいるライカン。近接戦になれば暴に秀でたライカンが圧倒的優位なのですが、容易には崩せない城や遠距離からも絶命させられるほど強力な武器を盾にしてヴァンパイアたちの方が常に優位に物事を進めていきます。


互いが互いの持ち味とする部分を活かしたいというのはすごく分かるし、それぞれが自分たちの得意分野で戦って相手を叩きのめした時の爽快感は非常にすばらしかったです。


どうやら今作はシリーズの中でも時系列的にかなり立ち戻った部分が描かれているようでして、そう考えると今から過去の作品を観てみるのも悪くないような気がします。果たしてどう話がつながるのかはまったく検討もつかないのですが、そこを楽しみに鑑賞してみようと思います。


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