「E.T.」見たよ

母親、兄、妹と暮らす10歳の少年エリオットは、ある夜、地球に取り残されてしまった異星人と出会い、心を通わせる。「E.T.」と名づけたその異星人を、兄妹は大人たちの目から隠し、庇う。そして彼を故郷の星へ帰してあげようとする。やがて、兄妹と「E.T.」との間に芽生えたかけがえのない“力”は、永遠に消えることのない絆を残してゆく。

E.T. - Wikipedia

(注意)
本エントリーでは作品の内容や結末に触れている部分があるのでご注意ください。


TOHOシネマズ宇都宮にて。午前十時の映画祭にて鑑賞(11本目)
「こんな名作を観ていないとはちょっと言いにくい作品」の筆頭として挙げられる本作をやっと観てきました。
冒頭からしばらくの間はさほどおもしろい内容とも思えなくて「何だか眠い話だなー」と油断していましたが、エリオットが兄妹にE.T.の存在を教えたあたりから一気に物語がおもしろい方向に加速して目が離せなくなりました。


"地球に一人取り残されてしまったE.T."と"父親と離れて暮らし、兄やその友達からも相手にされないエリオット"は、共に孤独を抱えていてそこを埋めるべく互いに惹かれあうのは自然だと感じていましたが、でもそれ以外のエリオットのお兄ちゃんやその友だち、あとは一部の大人もE.T.を助けようとすると考えたり行動するというのはちょっと予想していなかったんですよね。お兄ちゃんやその友達はみんな性格悪そうだし、お母さんは自分のことで精いっぱいで余裕なさそうだしということで、理由はさまざまですがとりあえずE.T.のことを助けようなんて言う殊勝な奴はいないだろうと思ったからなんですよね。
ところが実際はそうではなくて弱い立場にあるE.T.を助けたいと思う優しさをもっていたというところに強烈なギャップを感じ、そこから少しずつ登場人物それぞれに対する視線の向け方が変わったおかげでおもしろいなと感じるようになったのです。


それとこれもすごいなと感じたのですが、そもそもこの作品は30年近く前の作品ですので映像技術がいまと比べると雲泥の差ですし、どうしてもE.T.の作り物感は目についてしまうのですが、でもそこが気になるのか?と言われると全然そんなことはなくて、E.T.の一挙手一投足はまさにリアルな宇宙人のそれとしか見えなかったことなんですよね。
基本的には物語はフィクションであり、E.T.は作り物だと知ったうえで観ていたつもりでしたが、いつの間にかそのことがふっと頭の中から消えてしまっていたようなそんな状態で最後まで鑑賞しちゃいました。そんなわけで、とりわけ後半部分における作品への没入度は半端ではなかったようで、ラストシーンではオヨオヨと涙を流してE.T.との別れを惜しむ羽目になりました。最初はこいつ気持ち悪いなーとしか思ってなかったのに...。


泣いて感動したわけですからなかなかおもしろかったというほかないのですが、でもほんとよかったです。


さて。本作には数々の名シーンがありますが、その中でももっとも有名なのはE.T.とエリオットが指を合わせるシーンだと思います。
最初に書いたとおりわたしはこの映画をいままで観たことはなかったのですが、この有名な指をあわせるシーンは子どもの頃から知っていて「イーーーティーー」と言いながら指を友だちと合わせて遊んでいたことはおぼえています*1。つまり当時もいまもこのエリオットとE.T.が指を合わせるシーンではE.Tが「イーティー」って言いながら指を合わせているんだと思っていたのですが、今回初めてこのシーンを観たわたしはそれがまったくの間違いであることを初めて知り、「え?イーティーって言わないの?」とひとりでおどろいてしまいました。
どこでどうカン違いしてインプットされたのかはわかりませんが、20年以上前からの間違いをひとつ正せたことはうれしいかぎりです。


きっとわたしの他にもカン違いしている方があと10万人くらいいそうなので、ぜひこのエントリーを読んでそのカン違いを払しょくしていただければと思います。

*1:どういうシチュエーションだったのかはおぼえてませんが...