呪われた場所を取材し、執筆して生計を立てていた作家・マイク(ジョン・キューザック)は、ある朝海岸で、ドルフィンホテルのカードを発見する。そのカードには“何があっても決して1408号室に入ってはいけない”と書かれていた。その後マイクは、かつてドルフィンホテルの1408号室に宿泊した56人が全員謎の自殺を遂げているという事実を突き止める。真相を探るべく、マイクはその部屋に宿泊するが――。巨匠、スティーヴン・キング原作による新感覚ホラー。
『1408号室』作品情報 | cinemacafe.net
MOVIX宇都宮にて。
完全に心を折られました...。途中まではそれなりにパニックホラーの体をなしていたので怖がりながらも見ることが出来たのですが、マイクと「ある人物」との再開のシーンや部屋に入出してから60分を経過した後の出来事があまりに強烈で、それまで何とか耐えていた心がポキリと音を立てて折れてしまいました。今までも怖い作品、例えば今年見た作品であればRECなんかものすごく怖かったのですが、そういった怖いと評判の作品は観てきたのですがその手の直接的な怖さではなくて、精神的な支えとなる柱をひとつひとつ壊されていくようなそんなジワジワ効いてくる恐怖に満ちた作品でした。これがボディブローのように効いてきて、後半はもう勘弁してくださいと言いたくなるほど参ってしまいました。これ観たらもうホテルになんか泊まりたくないなあ...。
# ここまで怖いとホテル業界に対するネガティブキャンペーンと受け取られても言い返せないですよね
ただ、観終わったいまそれとなく作品全体を振り返ってみるとこの作品は1408号室に行くまでのプロセスがものすごく緻密にくみ上げられていることに気付きました。マイクが過去にいくつもの幽霊ホテルを訪ねていることは彼が比較的恐怖に対する抵抗を持っていることを説明していて、この1408号室の恐怖がいかに異常なのかという指標になっています。また、ホテルの支配人が1408号室で起こった事実を正確に伝えることで恐怖/期待感*1をとても巧妙に煽っています。そのおかげでただでさえ怖いこの作品が余計に怖く感じられました。
作中でマイクは1408号室に泊まったことを心底後悔していましたが、わたしはこの映画を観たことを心から後悔しました。
安易な気持ちで観るとひどく後悔すること間違いなしですので、この作品に限っては観ることをお勧めはしませんが、この作品のマイクのように幽霊などいないとか、怖いものを観てみたいと思っている人がいれば覚悟を決めて観に行ってください。
公式サイトはこちら
[追記]
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RECは今日DVDが出たんですね。こちらも負けず劣らずすごく怖いのですが、でもすっきりとした怖さなので観ていられないというほどではないと思います。途中で帰りたくなるほどビビッていた私が言うのもなんですが、とても面白いのでお勧めします(映画の感想はこちら)。
*1:この感情はマイクのものでもあり、また観ている観客もまた同じなのですが