「貞子3D」見たよ


女子高で教師を務める鮎川茜(石原さとみ)は、学校である動画がうわさになっているのを耳にする。それは自殺を生中継した映像で、その生中継を見た者も死んでしまったという。このうわさが広がり始めたのと時を同じくして茜の教え子・典子が不可解な死を遂げ、同じように各地で不審死が起こり始める。全て自殺と考える警察だが、みな共通してある動画を見ていることが判明し…。

『貞子3D』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮で観てきました。
「リング」シリーズは一切未見でして貞子については名前くらいしか知らなかったのですが、"クラウド内を自由に移動する貞子"という売り文句がわたしのハートに火をつけたので公開初日に張り切って観に行ってきました。


観に行ったのはレイトショーなんですが、結構人が入っていて前列以外はほぼ満席という状態でした。
わたしが座った席の後ろにもやんちゃそうなカップルが座っていましたが、映画が始まる前に「こんなん全然怖くないしwww」みたいなことを言ってケタケタ笑っていたのですが、映画が始まると「おうふ..」とか「うわっ」なんていうかわいらしい声を出していてなかなか微笑ましかったです。

で、肝心の映画の内容なんですが、後ろに座った彼をフォローするわけではありませんが、恐怖心を煽る演出はなかなかうまくてかなりドキドキしてしまいました。たとえば「これはなにかくるぞ!」というフリをふんだんに盛り込んで「怖いシーンがくるというフリがある」→「怖いシーンがくる」ということを印象付けておきつつ、ここに例外的にフリなしでの怖いシーンをぶつけることでサプライズ感を加えて怖さを倍増させるというのはよかったなと思いました。


あと3D映像については、期待以上にうまく使っているなというのが率直な感想でした。

貞子が3Dで!と言われたら、ほぼ100%の人は貞子が画面から出てくるのが飛び出て見えるだけでしょ?と考えると思うのですが、そういったガジェット的な3Dの使い方はもちろんのこと、それぞれの場面に臨場感を与えたいときにも効果的に使われていてしっかりとした3D映画だなという印象を受けました。


そんなわけで全体の9割はすごくよくできていたと思うし、ホラー映画として十分楽しんで鑑賞しましたが、唯一残念だったのは貞子があまりにかわいらしすぎたということです。

公開直前になって貞子を演じるのが橋本愛であることが公開されていましたが、彼女の愛くるしい外見は貞子にはあまりにかわいすぎました。上でも書いたとおり、この作品における恐怖を煽る演出はとてもよかったし、わたしも石原さとみと一緒になって貞子に追いかけられているような気分で恐怖を追体験していたのですが、貞子がその姿を見せた瞬間にスッと気持ちが冷めてしまいました。

大人の事情なのかどうか分かりませんが、キャストとしてふさわしいかどうか、撮るまでもなくわかることだと思うんですよね。橋本さんのキャリアとしてもこれは痛いというか、黒歴史みたいになるのも気の毒だなーなんて考えちゃいました。

適役がいないんだったらいっそフルCGでもよかったんじゃないかなと思うし、ここ以外はよかっただけに心底残念でした。


「リング」では"呪いのビデオ"を介して、そして本作「貞子3D」ではインターネットを介して死を伝染させているのですが、これは映画が作られた時代のもっともメジャーなメディアコンテンツを死を媒体するものとして利用しているのです。
"映画は時代を映す鏡"だという言葉がありますが、死や恐怖を伝染させるために一番効率的なメディアが利用されているということは、イコール撮られた時代でもっとも主要なメディアがなにか?ということにスポットライトを当てている作品だとも言えるわけです。

そう考えると、貞子が出てくるということは新しいメディアが世間を席巻したことの証左でもあるわけです。
個人的には貞子がテレビやディスプレイから出てくるというのは大変怖くてご遠慮願いたいところですが、技術の進化にともない新しくて便利なメディアが登場したことをあらわす象徴として、今後も貞子には活躍して欲しいと願うばかりです。


嘘です。やっぱり出てきてほしくないです。



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