論点はそこじゃないはず


就職の採用試験についておもしろい記事が出ていました。

事実に基づく正確な職務経歴書、落ち着いたスーツで誠実な受け答えの面接……って普通の転職スタイルだと思いますよね?そんな常識を吹き飛ばすようなエンジニアが、実はたくさんいるんです。どんな人かって? 気付いていないだけで、あなたの姿なのかもしれません

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1195337.html


過去に見てきたひどい履歴書ということでいくつか例が上がっています。

写真がダメ!
・履歴書にペットを抱いた写真を張っていた。さすがに非常識と思い、不採用とした。
趣味の欄に「ペット飼育」とか、特技の欄に「ブリーダー」と書いてあれば……。(SI企業)

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1195337.html

以前、履歴書にプリクラを貼って応募してきた人がいるという話を聞いたことがありますが、そういう人のプリクラに対する感覚は多分私のプリクラに対する感覚とは大きく異なると思いますし、それについては何とも言えないかなあ。かわいい自分を見て欲しいと思ったのかも知れないし、その気持ちだけは否定するわけにはいかないです。


ただ、履歴書で必要なことは正確に自分の容姿を伝えることでありその伝えたいという意識があれば、プリクラよりも写真の方が適していると思うだろうし、そもそも履歴書には写真を貼る場所に縦横の詳しいサイズまで指定しているのに、わざわざそれを無視してプリクラを貼るのは字が読めない人かもしくはかなり頭が弱い人と思われてもしょうがないです。それに比べたらこのペット付きでも写真を貼った人はまだましな気がします。


でも考えてみてください。
もしかしたらこの写真を見た人事の人は「今回応募してきたのはこっちの犬みたいな顔をした生き物なのか、はたまたこっちの潰れた猫みたいな顔をした人なのか」と悩んでしまうかも知れません。つまり、相手に無駄な考察をさせてしまったり手間を取らせてしまうことになり、これはとてもよくないことだと私は思うのです。相手に無駄な労力をかけてしまう想像力のない人間だと思われてもしょうがないという覚悟があるのであれば、別にどうなってもかまわないのですが、自分を選考してくれる人に対しての気遣いってあった方がいいと思います。

・履歴書の写真がノーブラだった。
ごく普通の写真を張っていれば考えた。(流通・小売・サービス関連)

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1195337.html

これは即採用でしょう。ごく普通の写真っていうけど、別にノーブラでもいいし、むしろ全然いいし、ものすごくいいよね。
俺だったらぜひ面接に呼んでその時もノーブラかどうか楽しみにします。


・30代前半のソフトエンジニア。履歴書の写真がアロハでした。
写真はスーツでネクタイ着用!

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1195337.html

空気読めない奴はいらんってことですかね。
まあ、使う側にとってはわずかな個性よりも使う側から見た扱いやすさを見ているのでしょうし、そういう意味ではこういう写真を自ら貼ってくるというのはお互いが幸せになるためのよいアピールなのかも知れないなと感じました。


これ以外にも特技がケンダマとかヨーヨーというのはふざけているという話が出ていて、これに対しては強く反発するコメント(2chはてブ)が散見されました。率直に言って、特技にこんなことを書く人を擁護する人がいるとは思っていなかったのでかなり驚いてしまいました。現在のような採用側が主導権をもっている状況で履歴書の特技にヨーヨーって書くのはどうかと思います。


例えば。
採用される側が主導権を握っている場合*1は、採用される人の情報は採用する側が積極的に掘り起こすことになります。よってあなたが頑張って自己アピールをせずとも人事はあなたの良さを探し出してくれます。この場合、例えば特技にヨーヨーと書いたところでプラスポイントにならないというだけでマイナスポイントになることはなくて採点方式は加点方式になります。このような場合は特技にヨーヨーと書くことは別に悪いことではないと思います(いいことでもないけど)。


対して。
上記の逆の採用する側が主導権を握っている場合は、採用される人が積極的にアピールする必要があります。
この場合は多くの応募者の中からいい人を見つけるのが人事担当者の仕事となりますので、似たり寄ったりの人たちに差をつけるために採点方式は減点方式になります。そうなると多くの人の理解を得にくいことを書くことはリスクとなり、それは例えば特技にヨーヨーと書くこともまたリスクとなると言えます。


そもそも人事の人だって別にその人の特技が知りたいわけではないと思うんですよ。特技というその人のプラスの特性をとおしてその人が会社にどのような貢献をしてくれるのかということを見たいのだと思います。その視点でいうと遊び道具というイメージの強いヨーヨーと仕事というのはいまいち結びつきにくいし、だったらわざわざ特技に書く必要ってあるの?という疑問がわいてくるんですよね。


書くのであれば無難なものをひとつ書き加えておいて、ヨーヨーなどは面接で突っ込まれた時に話せる用にとっておくというのも手かなと思います。


でも特技って書くのむずかしいよねー...。

*1:つまり供給よりも需要が大きな場合です