容疑者Xの献身


貝塚北警察署の女性刑事・内海薫(柴咲コウ)は、先輩・草薙(北村一輝)と顔が潰され、指を焼かれた絞殺死体が発見された事件の捜査に乗り出していた。だが、捜査していくうちに、この事件の被害者・富樫慎二(長塚圭史)の別れた妻・花岡靖子(松雪泰子)の隣人である石神(堤真一)が、“ガリレオ”こと物理学者・湯川学(福山雅治)の大学時代の友人であることが分かる。それを知った内海は、湯川に事件の相談をする。そして湯川は、“唯一の親友”である石神が、事件の裏にいるのではないかと推理する…。東野圭吾直木賞受賞作の映画化。TVドラマ化に引き続き、天才ガリレオが完全犯罪に挑む!

『容疑者xの献身』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。人気ドラマ「ガリレオ」の映画版。


なかなか予定が合わずに観に行くことが出来なかったのですが、昨日やっと観てきました。ドラマの方は見ていないし原作も未読*1でしたが、そんなことは全然問題にはならない作品でしたので思いっきり作品を楽しむことが出来ました。「この程度だったらテレビでスペシャル番組にすればいいじゃん」という感想をネットでいくつか拝見しましたが、テレビで放流する予定で作るとしたら、予算の関係でかなり微妙な作品になってしまったはずなのでやはり映画として撮ってよかったのではないかと思います。


ストーリーや構成に関する感想は原作を読んだ時にまとめて書くことにして、今回はキャスティングとおおまかな印象についてまとめます。


まずキャスティングについてですが、石神を演じた堤真一がすごくよかったです。ネットでは「原作のイメージに比べてかっこよすぎる」という感想をよく目にしましたしその点原作未読のわたしは何とも言えないのですが、あの「世の中のすべてを斜に見ているような冷めた視線」や「周囲からの視線を気にすることのない風体」など、湯川の口から語られる「石神」という数学の天才を見事に体現していてと感心してしまいました。
で、石神についてとくに印象に残っていることがあって、それは石神が花岡に公衆電話から電話をかけるシーンで嬉しそうな表情をみせるところです。人とのふれあいなどこれまで重視してこなかった石神にとって、勤務先の弁当屋に毎日かよいつめてしまうほど想い焦がれていた花岡と、毎日電話をしたり時には頼られたり感謝されたりすることがいったいどれほど彼を喜ばせていたのかということが感じられてかなりグッときました。


作品全体の印象については最初に書いたとおり、シリーズものの劇場版とは言え、予備知識はまったく必要ないくらいに敷居が低くてとっつきやすい上に全体像がつかみやすくてよかったです。ドラマや小説を楽しんだ人はもちろん、そうでない人まで網羅できる間口の広さこそが、ここしばらく続いている邦画好調のひとつの理由じゃないかと思いながら観たのですが、そのことについては後日またあらためてまとめようと思います。


期待どおり、ひじょうに楽しい作品でした。


[追記]
そういえばわたしが観に行った朝一の回も結構な人の入りで、この作品の人気の高さを実感しました。
ここ最近の作品でこのくらい人が入ってたのはポニョくらいです。
もう東宝ぼろ儲けですね。


公式サイトはこちら

*1:探偵ガリレオと予知夢は読みました