「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」見たよ


離れ離れに暮らすことになった、のだめ(上野樹里)と千秋(玉木宏)。千秋には孫Rui(山田優)との共演話が持ちかけられる。一方のだめはピアノレッスンに励むが、コンクールの許可がなかなか下りず、焦りを感じはじめる。清良(水川あさみ)の出場するコンクールを訪れたのだめは、ピアノ部門で「ラヴェル ピアノ協奏曲」に心奪われる。この曲こそ千秋と演奏する曲だとのだめは夢見るが、実は千秋がRuiと共演する演目でもあった――。女性漫画誌「Kiss」に連載されている二ノ宮知子の原作漫画をドラマ化した、人気TVドラマ「のだめカンタービレ」を2部作で映画化。前編は2009年12月19 日公開。

『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


公開からずいぶん時間が開いたのでもう観られないだろうと思ってたのですが、偶然いい時間の上映があったので観て来ました。
前作が比較的明るいトピックが多かったのに比べて対照的な展開を見せたのが意外でしたが、テレビから続く映像シリーズの完結編として考えるととてもいいまとめだったと思います。原作もきっちり完結し、映画もこうやって結末を迎えたことで、ひとつのブームとしての「のだめカンタービレ」は、やっと締めくくられることになりそうです。原作の魅力を映像にしっかり置き換えた成功例としてはなかなかレベルの高いシリーズだったように感じています。ピアノやオーケストラのシーンもよかったし、キャストもすごく原作を大事にしたセレクションでしたので映像化そのものを不満に感じた人はほとんどいないんじゃないでしょうか。
少なくとも、わたしはこの作品にそのような不満はありませんし、主演二人のキャストはこれ以上の適任がいないくらい完璧だと思っています。


ただ、それでもあえてこの作品に言いたいのは「なぜ前編・後編に分けたのか」という点を納得出来る作品にして欲しかったという点です。


一般的に、この手の"テレビドラマの最終回を映画化した作品"には「なぜ最後をテレビではなく、映画にしたのか」という議論が出てきますが、この作品に限って言えばわたしは映画館でやるべき作品というくらいにはちゃんと仕上がっていたと感じています。
そもそも映画館で上映することで得られる一番のメリットは、「映画館の音響・映像設備を使った臨場感あふれる音楽体験できること」だと思っています。そう考えると多少物足りなさもあるものの、それでも音楽のもつ迫力や魅力が感じられるようなシーンがありました。例えば前編のオープニングや、後編ののだめがデビューしたコンサートのあたりなんかは映画館で観れてよかったなーなんて思ったわけです。
テレビでも十分じゃね?という意見をひっくり返せるほどではありませんが、それでも映画館で観る価値があるシーンがあるというのは大きいです。


ただ「さらに前編・後編に分けたのか」という点はもうフォローのしようがないです、これは。
何で最終回を観るために何ヶ月も待たなきゃいけないの?と。正直、これには腹が立って腹が立ってしょうがありません。
もちろん2部作にしたのは「複数回上映したほうがお金になるから」というのが本音なのでしょうが、それだったら最近上映中の「仮面ライダー THE MOVIE 超電王トリロジー」のように2週間おきに3作品上映という、金の亡者丸出しだけど観る側の気持ちは汲んでくれている方がまだいいとわたしは思うんですよね。ちょっとお金はかかるけど、続きを数ヶ月待たなければならないなんていうくだらない状態にはならないわけですから。
そもそも続き物の作品については「上映を待つ楽しさ」よりも「続けてみる楽しさ」の方が絶対優先事項です。誰だって面白い作品を観たらすぐに続きが観たくてなって当たり前じゃないですか。それを数ヶ月単位で待たされたらはっきり言えば興ざめです。しかも、この内容だったら適当なシーンを削ってしまえば2時間か3時間にはまとまりそうなのも腹が立つわけで....。


観ている人を楽しませようというサービス精神もすごく伝わってくるいい作品だっただけに、こういう作品外の不手際というか嫌らしさがすごく残念に感じられました。


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