最高の人生の見つけ方


家族思いで勤勉実直な自動車整備工・カーター(モーガン・フリーマン)と、独身で大金持ちの傲慢な実業家・エドワード(ジャック・ニコルソン)。性格も辿ってきた人生も全く正反対のふたりが、偶然同じ病室になり、お互い余命6か月と宣告される。そんなふたりを結びつけたのは、1枚の紙切れ。人生でやり残したことを書き出した夢のリスト、“バケット(=棺桶)・リスト”である。「スカイダイビングをする」、「ライオン狩りをする」…人生でやり残したことを叶えるため、そして最高の人生だったと心の底から微笑むために、ふたりは生涯最後の冒険旅行に出る――。

『最高の人生の見つけ方』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。
自らの死とどう向きあうのか。ありきたりだけど生きている以上は避けて通れないテーマを題材とした作品なのですが、重いテーマとは対照的に非常に前向きに、そして明るい気分になれる作品でした。


私は意図的に死というものを意識からはずして生きています。
というのも私の感覚からすれば、死ぬことを日々意識しながら生きるのはなかなかしんどいことですし、とてもじゃないけど生の終わりを意識におきながら毎日を過ごすなんて耐えられないと思います。
だから、この作品の主人公であるエドワード/カーターのように余命6ヶ月と告げられたと考えたら、きっとその6ヶ月という時間の短さに絶望し、全ての時間を無為に過ごしてしまうような気がします。


だからこそ、そんな私とは対照的に余命を楽しめるだけ楽しもうというエドワードとカーターの姿には非常に驚き、憧れ、そしてそうあるべきだと再考しました。あと少しで死ぬからこそ、残りわずかな時間も無駄にせずに有意義に使うべきなんですよね。実際に自分が彼らの立場になったときにそこまで割り切れるかどうかは自信がありませんが、客観的に見てそうあるべきだと思ったという事は忘れずに心に刻んでおきます。


この作品ではとても印象に残るシーンが多いのですが、その中でもカーターが最後の手術直前に、エドワードに彼の好物の「コピ・ルアク」の正体を教えて大爆笑するシーンがすごく好きで好きで思い出しただけでぐっときます。これから最後の手術に向かおうというカーターの状況を考えると、笑うよりも先に泣きたくなるはずなのですが、残り僅かな時間をエドワードと一緒に楽しく過ごすために、あえて一緒に笑うという選択をしたのです。選択という表現は少々適切ではありませんが、エドワードと一緒にやると決めたリストをひとつでも多く埋めたかった。ただそれだけなんだろうなと思います。
カーターの笑っている姿を見ていると私も笑いたくなるのですが、それと同時に彼の置かれている状況を思うと思わず泣きたくもなるのです。とても不思議なシーンでした。


この作品の内容には関係ないのだけれど、外国映画につける邦題って面白いなと思いました。
この作品の元のタイトルは「The Bucket List」です。直訳すれば棺おけリストで、意訳すれば「死ぬまでにやりたいことのリスト」となるそうです。
だからといって、これをそのままタイトルにしたのではきっと誰も観に行かないだろうというのはなんとなく想像出来ます。少なくとも私は観に行かないような気がします。
作品全体を俯瞰した上でどのような邦題をつけるべきかと考えてみると、この「最高の人生の見つけ方」というのはなかなかgoodなタイトルのような気がしてきます。

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