ライラの冒険 黄金の羅針盤


物語の舞台は、私たちの世界と似ているようで異なるもうひとつの世界のイギリス・オックスフォード。12歳のおてんば少女・ライラ(ダコタ・ブルー・リチャーズ)は、何者かに連れ去られた親友・ロジャーを探すために北の国へと冒険の旅に出る。その手には、真実を示すという“黄金の羅針盤”を持ち、肩には守護精霊のパンタライモンを連れて――。怪しげな美女、空飛ぶ魔女族、気球乗り、そしてよろいグマなど、敵か味方かわからない者たちと出会いながら、北へと進むライラ。だが、旅の行く末には、全世界を巻き込む驚くべき真実が待ち受けていた!

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』作品情報 | cinemacafe.net

宇都宮ヒカリ座にて。
一人の少女が道中で仲間を作りながら友達や世界を救うために旅をする物語。何ヶ月も前から予告を流れていたおかげで大体のあらすじは見る前から把握していましたが、おおまかな流れを知っているにも関わらず、ここまで楽しく鑑賞できる作品はなかなかないと思います。非常に満足しましたし、すごくよかったです。


予告やCMでも散々出ているのですが、シロクマのイオレクが出ているシーンはどれもすごくよくて気に入りました。イオレクのかわいいさは異常です。


例えば初めてライラと出会ったときのイオレクなんて、酒におぼれているだけのダメ熊なのです。大事なヨロイをとられた事で自暴自棄になり、毎日酒びたりになって過ごしているのですがその荒れている様子がすでに微笑ましいのです。
さらに誰も足跡をつけていない無垢な新雪の上をひたすら走る続けるイオレクと、その背中にしがみついて乗っているライラの姿がとても印象的なシーンがあるのですが、それもまたすごくいい。真剣に前を見て走るイオレクのまなざしがたまりません。


そして、そんなキュートな一面を見せる一方で、激しいバトルも繰り広げる武闘派の面も見せてくれます。
優しくて力持ち。時々ダメな姿が見え隠れするなんて、理想的過ぎるのにも程があります。イオレクすごいな...。


この作品でもっとも個性的な設定といえば、誰もが持っているというライモンの存在。
冒頭では我々の住む世界でいうところの魂に相当すると紹介されているのですが、その説明とはかなりイメージが異なります。ライモンはそれぞれが所有者本人とは異なる意思を持っていて独立して動く事が出来る一方、ダイモンや所有者どちらかが死んでしまうともう一方も死んでしまうという相互関係も持ち合わせています。
だから、互いに嫌いあっているもの同士がきつい口調で会話していれば、そのダイモン同士がリアルに闘っていたり、所有者同士が仲良ければダイモン同士も仲良かったりと、ダイモンを見ていれば互いにどう思っているのかがある程度読めるようになっています。
相手が自分をどう思っているのかがすぐ分かるという点、非常に便利だと思う反面、隠し事や感情が伝わるのは困るよなあ、なんて思ってしまいました。


とは言っても、今作ではダイモンが直接的に活躍した場面はそれほど無かった気がするので、次回作に期待です。


ひとつ残念だったのは観に行ったところが字幕ではなく吹替しかやっていなかったことです...。明らかに日本人ではない人たちが日本語で流暢に会話をしている様はどう見ても違和感を感じてしまうので、吹替はよほどの理由がなければ観に行かないのですが、今回はどうしてもヒカリ座で観たかったので諦めて観てきました。
ライラやイオレクの素の声聞きたかったなあ。


もう一度字幕版を観に行ってもいいなと思えるくらい非常に楽しい作品でした。


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