「パンドラの匣」見たよ


結核を患う少年・ひばり(染谷将太)は終戦を機に、「健康道場」と称する風変わりな療養所に入所する。そこで出会う、気まぐれな看護婦・マア坊(仲里依紗)と、美人婦長の竹さん(川上未映子)、おかしな療養者たちとの日々。やがてひばりは生きる活力を取り戻していく――。生誕100周年となる太宰治の同名小説の映画化。療養所の日々の中で少年に芽生えていく恋心と希望をユーモアたっぷりに描く。

『パンドラの匣』作品情報 | cinemacafe.net

宇都宮ヒカリ座にて。


原作未読ですので原作との比較は出来ませんが、世間の喧騒から切り離されてしまったような、穏やかで暖かくてフワフワと優しい空気に包まれた世界観がすてきな作品でした。あまりに浮世離れしすぎていると感じたために、「もしかしたらこれはこの世の話ではなくてあの世のできごとなんじゃないか?」と疑いたくなるほどでして、天国での日常をながめているような平和な気持ちになりました。
そこまで現実の世界との違いを感じた理由としては、映像全体が淡い色合いで彩られていたことや、あとは診療所にいる人々同士が互いを呼び合うあだ名が戒名の代わりとして使われているように感じたためだと思います。
作品を構成するひとつひとつの要素がとてもユニークで、観ている最中も見終わってからもつよく興味を惹く内容でした。


あととてもよかったのがキャスト。
仲里依紗はとても自然に、そしてのびやかに天真爛漫なマア坊というキャラクターを演じていましたし、竹さん役の川上未映子は演技のぎこちなさが目に付きましたがそこはむしろ竹さんの無骨なキャラクターをあらわすファクターとして映りました。だって美人なんだもん。
あと久しぶりに窪塚を観たのですが、どんな役であっても彼からはいつもどおりのフリーダムな空気がにじみでていて安心しました。


最近多かった太宰作品の映画化の中では一番好きです。


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