ALWAYS 続・三丁目の夕日


昭和34年春。東京オリンピックの開催が決定し、日本が高度経済成長時代に足を踏み入れることになるこの年――。黙って去って行ったヒロミ(小雪)を想い続けながら、淳之介(須賀健太)と暮らしていた茶川(吉岡秀隆)のもとに、川渕(小日向文世)が再び淳之介を連れ戻しにやって来る。人並みの暮らしをさせることを条件に淳之介を預かった茶川は、安定した生活をするため、そしてヒロミに一人前の自分を見せるために、一度は諦めていた“芥川賞受賞”の夢に向かって再び純文学の執筆を始める。一方、鈴木オートでは、六子(堀北真希)も一人前に仕事をこなせるようになり、順調に取引先が拡大。則文(堤真一)の家業も安定し始める。そんなある日、則文の親戚が事業に失敗し、その娘の美加をしばらく預かることに。お嬢様育ちの美加は、お手伝いさんのいない生活に少々戸惑い気味…。西岸良平の人気コミック「三丁目の夕日」を原作に映画化された『ALWAYS 三丁目の夕日』の続編。

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』作品情報 | cinemacafe.net

宇都宮第一東宝にて。
大ヒットした前作を見ずに続編を見るという、かなりの暴挙に出てしまいましたがこれには理由がありましてそれはまた後ほど書きます。
前作を見ていないのと、単なる懐古趣味の作品だと思っていたので正直楽しめるかどうかかなり不安でしたが、前作で構築された世界、昭和34年という世界、どちらも全く知らない私が見ても楽しめる非常に素晴らしい作品でした。実際に見たことはない昔懐かしい昭和ど真ん中の日本にどっぷり漬かり、心底満喫しました。すごくよかったです。


この作品を見ていて感じるのは登場人物を描く濃さです。バックストーリーの描き方というか、主要な登場人物の全員に各自がメインとなるストーリーがあって、それをとおして見ることで、皆がそれぞれの思いを抱いて生きているという実感がすごく強く伝わってきました。
その中で私が好きなのは、則文が戦争中に同じ隊にいた牛島と再開して大喜びするところと、別れ際に一平が美加にプレゼントするとこです。
死んだと思っていた同僚に会えた嬉しい気持ちをストレートに爆発させている様子もすごくジーンと来たし、当初は一緒に住む事を嫌がっていた一平が、最後にはプレゼントを贈ろうと思うようになるその感情の変化が温かく伝わってきました。特に後者は子どもの頃に感じた、「本当は仲良くしたいんだけど、ちょっと恥ずかしい」という感情が懐かしく思い起こされました。


焼け野原だった場所が徐々に整備され、これから日本は良くなっていくんだという当時の空気、時代の流れのようなものもすごく感じられました。そしてこの作品の登場人物は誰もが適役だと感じましたが、その中でも堀北さんがダントツで馴染んでました。こればかりはちょっとどう書いていいのか分からないのですが、時代の空気を一番含んでいたのが彼女だったと感じました。彼女の出演作は実は見たことがなかったのですが、少なくともこの作品については彼女以上にこの役を出来る人はいなかったと思います。本当によかったです。


何だか、ここまで面白いとところどころに見え隠れする前作の影が気になってしょうがありません。前作を見た上でもう一度見に行こうかな。


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