- 作者: 香山リカ
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2007/02/09
- メディア: 新書
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最近どこかのエントリで読んだけど、他人がどういった事で傷つくのか分からないから他人を全く傷つけずに生きるのは無理だという話があったけど、正にそのとおりだと思います。生きていれば無意識・意識的問わず、自分の取った行為で誰かを傷つけるという事は起き得るだろうと思うのですが、じゃあ、それはしょうがないから諦めるのかというとこれは難しい問題です。
本書で取り上げられているモラハラは、自身への過剰な愛情の裏返しとして相手への配慮を欠いてしまい、結果的に他人を傷つけてしまうというものです。自らが傷つくくらいならいっそ他人を...と言うのは言い過ぎかも知れませんが、でも身も蓋も無い言い方をすればそうとしか言えないのです。
本書では、実際に香山さんが見聞きした事例と共に、モラハラのさまざまなパターンについて説明されています。
私が一番興味を持ったのが怠業型のモラハラ。興味を持ったというか、あまりにぴったりな例が思い浮かんできてしまい笑ってしまいました。
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- 職場に居る時だけ元気が無い → 休日は元気に遊びまわっている
- 自らうつである事を公言している
こんな人がプロジェクトメンバーに居たらやる気なんて出るわけありません。出るわけありませんというか絶対にやる気が出ません。居るだけでやる気を吸い取るので居なくなって欲しいのですが、なぜか居なくならない。
さらにこういう人に限って、「無理しないで仕事はこっちに振っていいよ」なんて言ってくるからたまりません。誰のせいでこんなに仕事回ってきてるんだよ...って言ってやろうかとも思うのですが、そんなことを口にしようものなら「理解の無いダメ人間」みたいな事を言われそうなので言いません。
ここからは誤解を恐れずに思い切って書いてみます。
うつかどうかは自ら判断出来るものなんでしょうか。憂鬱という言葉あるように、人間誰しも抑鬱とした気分になる時はあると思います。それを病気とするかどうかは本人の気持ちというものが大きく影響を及ぼしているように思われます。
客観的に見て明らかに以前と精神状態・行動パターンが違っている場合はともかく、自己申告されて初めて「え?そうなの?」と言いたくなる場合はほぼ怠業型のケースとしか思えないのです。そういう事言い出す人に限って、元々大して仕事してないんですよね。
もちろんこの判断のさじ加減が難しいからこそ、うつへの理解が無い上司・同僚・部下に苦しめられる人が居る一方で、こういった怠業型の自称うつ病の人が大きな顔をして存在出来るですよね。肉体的な病気であれば本当かどうかの判断は科学的に証明・発見出来ますが精神的な病気はそうはいかないのです。
# と思って調べてみたら、神経の損傷が一因であるという仮説もあるようです
# とすると医学的に検査をして発見される場合もあるのでしょうか
なんて思っていても現実には言えない風潮なんですよね。疑わしきは罰せずなんです。そんな時代に、これを本に書かれた香山さんには頭が下がる思いです。