タイヨウのうた


月の下でしか生きられない少女。
サーフィンの好きな陽に焼けた少年。
交わるはずのないふたりが出会って、奇跡の物語がはじまった------。
海辺の町に暮らす雨音薫(YUI)は16才。彼女は太陽の光にあたれないXP(色素性乾皮症)という病気を抱えている。学校には行けず、陽が沈むとギターを持って、駅前の広場で自分の作った歌を歌うのが彼女の日課。昼は眠り、夜になると活動するという普通の人とは逆の孤独な日々を送っている。
しかしそんな彼女にも、密かな楽しみがある。午前4時、日の出前に帰宅する薫。高台にある部屋の窓から外を眺めると、そこには、サーフボードを抱えたひとりの少年が佇んでいる。藤代孝治(塚本高史)、18才。歌・家族・親友だけが全てだった薫は彼に恋をしてしまったのだ。    
太陽の下では決して出会う事のない二人だったが、運命は二人を引き寄せる。初めてのキス、初めての恋。普通の幸せを夢見るようになる薫だが、自分の残された時間が少なくなっていることを知る。“歌うことは生きている証”。彼女の歌に心を揺さぶられた孝治は、彼女にある約束をする。

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=6129


細かい感想を書かずになんですが今年見たDVDでは一番面白かったです。大雑把なあらすじは知ってたのですが、正直自分には合わないんじゃないかと思ってました。
でも全然問題なし。もう好みど真ん中でした。
YUIの(前向きに捕らえて)たどたどしい話し方も塚本君のまっすぐな役どころも、岸谷五朗さんの優しい父親っぽさも全部良かった。意外と言っては何だけど、泣かせようというあざとさもそれほどでもなかったのがすごい好印象でした。


この作品で印象に残っているのが、浜辺でサーフィンしている孝治を眺めている薫、そしてその薫をお父さんが見ているシーン(ややこしい...)。薫の健康を最優先に考えて決めたことを、ただやり通しただけなんだけれども、果たしてそれで本当によかったのかという苦しい胸中がとても伝わってきました。結局、薫がこうやって助からない命なのであればやりたいことをやらせてあげたかったという気持ちはすごい分かるなあと思いながら見入ってしまいました。


それと、この作品のもう一つの魅力は映像と音楽。この二つがシンクロしたときの威力を強く感じられる作品でした。
幸福な食卓(このDVDの予告に入っていたので思い出したのですが)のラストシーンでミスチルのくるみが流れた時のドキドキする感じと同じ高揚感を感じました。曲自体の良さもあってなんでしょうけど。


今更なんですがこれは映画館で見たかった。

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