秒速5センチメートル

昨日宇都宮テアトルで舞台挨拶が行われたそうですが、結局仕事で行けませんでした。今日、映画を見終わって思ったのはこの作品を作った新海監督達を見てみたかったなという事です。とてもよい作品でした。
先日、池袋で矢崎監督と狗飼さんを目前で見逃したのと同じくらい後悔してしまいました...。残念。

映画の詳しい感想はこちら。ちょっとだけネタばれもあるのでご注意。

小学校の卒業と同時に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里。二人だけの間に存在していた特別な想いをよそに、時だけが過ぎていった。そんなある日、大雪の降るなか、ついに貴樹は明里に会いに行く…。貴樹と明里の再会の日を描いた『桜花抄』、その後の貴樹を別の人物の視点から描いた『コスモナウト』、そして彼らの魂の彷徨(ほうこう)を切り取った表題作『秒速5センチメートル』、三本の連作アニメーション作品。

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宇都宮テアトルにて。


見終わっての感想はこの作品を楽しめるのはもてない青春時代を送った人なんじゃないかという事です。そういった人ほど貴樹の気持ちにシンクロ出来て、楽しめるのではないかと。もちろんもてなかった私は存分に楽しめました。


初恋を引きずったまま生きている貴樹と、思い出は思い出として前向きに生きる明里。働くようになっても10代の思い出を引きずっているのは正直どうかと思いますが、でも気持ちは何となく分かる気がします(同意は出来ないけども理解は示せるっていう程度です)。
思い出なんて現在から遠くなればなるほど美化されるものですし、だからこそどこかで一度断ち切らないとどんどん離れがたくなるのですが、きっかけが無いとなかなか難しいですよね。相手に一度会ってみて失望する(かわいくなくなってた,性格が悪くなってた...)とか、もっと好きな人が出来るなんてのはいいきっかけだと思います。
そもそも。初恋の人なんて20歳過ぎてからあったら絶対にがっかりしますよ、きっと。私は会った事はありませんが絶対にがっかりする自信があります。今現在の彼女が、幼少期のキレイな思い出から派生した想像上の彼女以上とは到底思えません。理想と現実のギャップで必ず気持ちは冷めるはずなのです。


だからこそ一度会ってみればよかったのに会わなかった貴樹...。
一度だけ仕事が忙しい事で過去を断ち切るチャンスがあったのですが、結局断ち切ったのは会社との関係だった貴樹...。
結局明里は他の人と結婚してしまい、一生片思いになってしまった貴樹...。


もうヘタレ過ぎてどう表現していいのか分かりませんが、そんな貴樹をずっと見てたら貴樹がいい奴に思えてきてなりません。ヘタレ同士、分かり合える部分を感じたからかな(笑)


この作品で一番良かったのは小学生の頃から今に至るまでのフラッシュバックのシーンとバックで流れる「One more time, One more chance」。これはすごい良かった。居るはずのない場所にまで相手を探してしまうくらい好きだという片思いなんてもうすることはないんでしょうが、一連のシーンと歌詞が相まってそんな片思いをしている貴樹の気持ちが伝わってきました。
あの構成・表現力は感動(と言うのはちょっと言い過ぎかも知れませんが)ものです。


そんなわけで昔もてなかった人はぜひ見に行ってみてください。学生時代はモテモテだった人は何があっても見に行かないように。
1時間と上映時間も短いし値段も安いのでもう一度くらい見に行きたいです。貴樹のヘタレっぷりを堪能してきます。


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