夏と花火と私の死体 - 乙一

仲の良い二人の女の子である五月と弥生。弥生には兄(ケン君)がいたが、五月がケン君を好きだと言った事で弥生は衝動的に五月を殺してしまいます。


あとはこの死体の処理をどうするんだ?というところから話が進んでいくのですが、話は殺された五月の視点で語られていきます。最初は死んだ人が語り進めていくことに違和感を感じてましたが処理される側が冷静に状況についてコメントしている不条理さが心地よくさえなってしまいました。


そして↑のような非日常感は日常に織り交ぜる事でよりその奇異さが際立ちます。とにかく最後の最後まで期待以上の作品でした(結末も秀逸です)。


ちなみにこの本の後半部分には「優子」という別の作品も掲載されていますが、こっちはよくわかりませんでした。米沢から山形に着くまで何度も読み返しましたが、結局どっちが正しい主張をしているのかさっぱり...。