父・ひろしは、メキシコの町に生息するサボテンの実を集めるため、転勤を命じられる。一家そろっての引越しを決意した みさえやしんのすけたち。春日部のみんなと涙なみだのお別れ。「オラ、みんなのこと絶対に 忘れるまで忘れないゾ!!」そして辿り着いた町の名前は「マダクエルヨバカ」個性いっぱいのお隣さんたちに囲まれて、楽しい毎日がスタートするはずが…待ち受けていたのは人喰いキラーサボテンだった〜!しんのすけとメキシコのご近所さんたちは、この絶体絶命の大ピンチを乗り越えられるのか?!町の平和は、しんのすけに託される!
『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語〜サボテン大襲撃〜』作品情報 | cinemacafe.net
春日部を離れてメキシコに引っ越した野原一家のドタバタ騒動を描いた作品でしたがすごくおもしろかったです。
細かい小ネタを絶え間なくツッコんできて笑わせてくれるところもよかったですし、風間くんとの別れやメキシコでの出会いなどグッとくるシーンやワクワクする展開が多くてとても楽しい作品でした。序盤の展開がやや強引ではあったものの、導入部はこのくらい強引な方がわたしは好きなのでそこもすごく気に入りました。
ただ、観ていてすごく気になったのが「リアリティのなさ」でした。リアリティがないというかアニメなのでリアリティはなくてもいいのですが、ここで言いたいリアリティの無さというのは「夢の世界のようなフワフワした雰囲気に包まれていて、最初から最後までまるで夢を見ている」ようなそんな印象を受けたということです。つまりしんちゃんの日常と地続きな世界ではなく、しんちゃんが昼寝で見た夢を観ているようなそんなフワフワとしたお話だったなと。
そう感じた理由について考えてみたのですが、やはり生活の場所を春日部からメキシコにうつしたことが大きかったような気がするのです。
わたしにとってしんちゃんたちは春日部に居を構えていることが前提であり、たとえどんな場所で物語が展開されるにしても最後は春日部に帰って話がきちんと収まるからこそ安心して物語を観ていられるんじゃないかと思うわけです。
ところが、本作は春日部を離れてメキシコに移住してしまったことで野原一家の軸足は大きくぶれしまい、傍からみたらどこか寄る辺ないもののようにわたしには見えました。単純に物語の舞台があちこち変わることと生活の拠点を変えるということは決して同じではないと思うし、今回のように一家が春日部を離れるということは作品としての軸足をずらすことと同義のような気がしたためにちょっと違和感をおぼえました。
@MOVIX宇都宮で鑑賞
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