「X-MEN:フューチャー&パスト」見たよ


時は2023年。地球はバイオメカニカル・ロボット“センチネル”によって壊滅へと向かっていた。プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)は宿敵のマグニートイアン・マッケラン)と手を組み、1973年にウルヴァリンヒュー・ジャックマン)の“魂”を送り込み、危機の根源を絶とうする。50年前の自分の肉体に宿り“センチネル・プログラム”の開発を阻止しようとするウルヴァリン。しかしその間も、2023年では暴走するセンチネルの過酷な攻撃で、地球滅亡へのカウントダウンが進んでいた――。

『X-MEN:フューチャー&パスト』作品情報 | cinemacafe.net


圧倒的な暴をもつセンチネルにまったく歯が立たず、壊滅間際まで追い詰められたX-MEN一行。
そんな状況で彼らがとったのは、まるで勝ち目のない戦いに真っ向から挑むのではなくこの危機的状況におちいるきっかけとなった過去のある出来事を変えることで世界を救おうとする、というのがざっくりとしたあらすじです。


「現代で起こっている困った出来事を解決するために過去を変えようぜ!」という展開で思い出すのは、このあいだ観たばかりの「STAND BY ME ドラえもん」です。と言ってもあれは相対的に過去に位置しているのび太たちの視点、つまり変えられる過去の側から見た物語だったために印象はやや違いますが、過去を変えることで未来を救おうという発想はまったくいっしょです。

のび太の未来を明るいものにするために過去を変え、のび太の結婚相手はジャイ子からしずかちゃんと置き換わってのび太の未来は良い方向へと大きく舵を切ることになるのです。

それ以外で思いつくのは「バック・トゥ・ザ・フューチャー1」は弱虫だった父の過去を変えたことで現代の自分の生活が良い方向に変わるという話ですし(超意訳)、「ミッション:8ミニッツ」はタイムリープだからちょっとちg(以下略)。


基本的にわたしは時間を行き来するお話がすごく好きなんですが、その「好き」にはひとつだけ条件がつきます。

それは時空を行き来することによってパラレルワールドが生じないシリアルな世界観であることです。


たとえば過去に戻って世界を変えたとして、その結果として戻る前にいた未来がその変えたことの影響を受けて変わるのであればうれしいのですが、そうではなく、いまある未来はそのまま変わらず、過去を変えた時点を起点としてまったく別の未来がパラレルワールドとして生まれるというのは好きになれないのです。

わたしがパラレルワールドが嫌いな理由はいくつかありますが、一番大きな理由は「無限の平行世界があると考えるのは怖いし気持ち悪い」という感覚的なものです。理屈だけでいえばパラレルワールドが生まれると考える方が理にかなっていると思うのですが、だからこそフィクションの中くらいではシリアルな世界でいてほしいと思うわけです。


その点、この作品は「未来を変えるために過去を変える」という設定であり、つまり未来と過去はひとつの線でつながっていて過去を変えることがいまいる未来を変えることになるというわけでしてわたしの好きなタイプの作品なのです。


もちろん設定だけがよかったわけではなく、ここまで続いてきたX-MENの最新作としてもひじょうにおもしろかったです。


MOVIX宇都宮で鑑賞


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