東京に対するわたしの苦手意識

今日は出張で都内に行ってきました。
東京国際フォーラムで一日過ごしたのですが、帰りがけに東京駅へ向かって歩いているときにちょっと自分のおかしな変化に気付きました。


わたしは生まれも育ちもずっと田舎育ちでして、いま住んでいる宇都宮がいままでで一番大きな街です。
生まれてからの18年間を秋田で過ごし、大学には山形で6年間通いました。そして就職のために宇都宮市へ移り住んで今年で12年になります。


わたしの観測範囲で申し上げると、田舎に生まれ育った人は大きく二つに分類できると思います。

ひとつは「生まれ育った場所から絶対に出たくない人」、そしてもうひとつは「生まれ育った場所からさっさと離れて大きな都市に住みたがる人」です。わたしは典型的な前者でして、なるべく秋田を離れたくないとずっと思っていましたし、とにかく人の多い都市圏にはぜったい住みたくないと思っていました。ちなみに弟は後者でして、高校を出るとさっさと家を出ていってしまい、いまは中野に住んでいます。


そんなわけでわたしはできれば進学も就職も秋田がよかったのですが、県内には自分が入りたい大学がなかったために一番近い物理科がある山形にすすみ、さらに就職も秋田県内ではやりたい仕事が見つからなかったので比較的東北に近い栃木へと移住しました。どちらも秋田県内でなんとかならないのか探してみたのですがまったく無理でした。


進学にしても就職にしても、自分がやりたいことができる場所を探すとそれは大抵人の多い都市圏に集中しています。
進学のときも就職のときも、まっさきに提示されたのは東京という選択肢でした。

とくに就職活動をしていたときに内定をもらった3つの会社のうち、初任給や業務内容が希望に近かった会社2社は都内にある会社でした。そして残る一つがいまいる会社。仕事や待遇を考えれば都内にある会社を選びたかったのですが、でも毎朝電車に乗って新宿と品川にかようことを考えると気が滅入ってしまい、結局一番住みやすそうな栃木の会社を選びました。

実際、この選択がよかったのかどうかはいまでも自信がありませんが、ストレスのなく出勤できることにも、住みやすい宇都宮市という場所にも満足しているし後悔はしていません。BESTかどうかはわかりませんが、GOODだとは思っています。


10代、20代のころは東京で生活する自分というものをまったく想像出来なかったし、東京という場所に極端におびえてしまっていました。「木綿のハンカチーフ」の歌詞にあるように、東京に行って大勢の人にまぎれて生きていくうちに自分が変わってしまうなんて思っていたわけではないでしょうが、でもなにか近づいてはいけない場所だとずっと思っていました。


栃木に移り住んでからは仕事やプライベートで都内に行くことも増えたので東京に対するイメージもずいぶん変わりましたが、でも都内で人ごみに混じって歩いていると、ふいに「東京はやっぱり苦手だな」と思う瞬間があります。トリガーはなんなのかわかりませんが。


今日も人ごみに紛れていたらふとそんなナイーブな気分がもりあがってきて「さっさと宇都宮に帰ろう...」なんて思っていたのですが、交際フォーラムから東京駅に向かって歩いているときに道端に止まっているはとバスとそのわきにいる外国人観光客の楽しそうな様子を見ていたら急にその苦手意識みたいなものがすっ飛んでしまいました。

だからなんだって言われると困るのですが、うまく言えないのですがすごくブルーになっていたのに一瞬でその気分が吹き飛んだことにちょっとびっくりしてしまいました。