「クローズ EXPLODE」見たよ


新年度を迎えた鈴蘭高校では再び頂点を巡る争いが始まっていた。最も頂点に近い男・強羅徹(柳楽優弥)やそのライバル的存在の高木哲次(KENZO)、グループを率いる寺島聡司(遠藤雄弥)、隠れたキレ者・小岐須健一(勝地涼)、さらに自由に生きることを好む転入生・鏑木旋風雄(東出昌大)と暴れん坊新一年生・加賀美遼平(早乙女太一)を交えて鈴蘭史上最大の抗争が巻き起こる。そこに近隣校・黒咲工業高校からも新たな勢力が襲い掛かってきて…クローズ史上最大の戦乱が幕を開ける。

『クローズEXPLODE』作品情報 | cinemacafe.net


ヤンキー映画大好きな栃木県だけでなく、日本津々浦々で人気を博したクローズシリーズの最新作が5年ぶりに公開されるということで楽しみにしていましたが、過去2作とはやや趣が異なっていてその違いにかなりとまどってしまいました。観ながら気になったのは「キャストが大幅に変わっていて知っている顔がほとんど出ていなかった」こと(そもそも話が過去2作とはつながっておらず、舞台が鈴蘭だということだけが共通点)と、「中心人物の顔ぶれが違うからだけではなく作品がまとっている空気がまったく違う」ということでした。


キャストが違うのはしょうがないとして、一番気になったのは作品の雰囲気が前2作とまったく違う点です。
前作「クローズ ZERO」と「クローズ ZEROII」はどちらかというとエンターテイメント色がつよくて、やたらわーわー騒いで殴りあっていた印象ばかり残っているのですが、今作「クローズ EXPLODE」はそういったバイオレンスなシーンよりもヒューマンドラマ的な要素が色濃くただよっていたように感じました。

登場人物の生い立ちに始まり、現在の状況に至るまでの背景や日常生活を丁寧に描くことで、前作のような暴力によるカタルシスを得ることがトピックの中心に据えられている映画ではなく、ストーリー重視の作品として組み立てられていたように感じました。おそらく、このあたりは原作との兼ね合いもあるので一概に映画だけの責任とは言えないのですが、ただの暴力エンターテイメントではなく、ヒューマンドラマの方向に舵をとったようでそれが作品の印象を大きく変える一因となっているように感じました。

この作風の変化に対する受け止め方は「この作品に期待するものがなにか?」ということに依存して大きく変わると思いますが、ヤンキーたちがわーわーさわいで殴り合うのが観たかったわたしにとってはやや残念な変更となりました。ヤンキーたちは動物のようにもっと遠慮なく暴れて欲しかったですし、登場人物が抱えている背景についてはあえて描かない方がよかったなと。


それでも映画としては文句なしにおもしろい作品でした。



@TOHOシネマズ宇都宮で鑑賞


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