「舟を編む」見たよ


玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、新しい辞書『大渡海』を編む仲間として辞書編集部に迎えられる。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく――。

『舟を編む』作品情報 | cinemacafe.net


宇都宮ヒカリ座で観てきました。

この作品は本年4月に公開された作品ですが、キャストがかなり好みだったので公開直後にすぐ観るつもりで楽しみにしていたくせに観ることができなかった作品でした。公開当時、ちょうどフルマラソンを走る直前だったので映画どころではなかったというのが一番の理由ですが、予告がちょっと「きいろいゾウ」を彷彿とさせる危うげな空気を漂わせていたので*1警戒して様子見していたのも一因だったりします。

そのくらい「きいろいゾウ」がわたしのハートに付けた傷はなかなか大きかったんです...。
宮崎あおいがグラスで向井理の腕を殴打するシーンの衝撃ったらなくて思い出しただけで目が死んだ魚のようになってしまうくらいです。


ただ、その傷も癒えてきたところでちょうど近くで上映されたのでさっそく観てきました。


本作は長い年月をかけて辞書作りに取り組む人たちの姿を描いた作品でしたが、登場人物がみな個性的かつ魅力的に描かれていてとてもよかったです。時代が変われば人や価値観は変わるし、人や価値観が変われば言葉も変わっていきます。そんな変化の象徴とも言える言葉を集めて選んでまとめる辞書作りのむずかしさとおもしろさをうまく伝えてくれたところがすごく気に入りました。

時代背景、登場人物、そして辞書作りの舞台となった出版社をとても丁寧に描いていたために、ストーリーがきっちりと骨組みに補強されていたと感じたし、とくに登場人物の人となりの描き方の力の入れようにいたく感心しました。すごい変な人ばかりなのに、本当にこういう人がいるとしか思えないくらい感情移入させられたし、普段何げなく口にしている言葉や目にしている辞書に対する見方も大きく変わました。


余談ですが、池脇千鶴が超かわいかったです。


ちなみにこの映画を観るためにひさしぶりにヒカリ座に行ったのですが、地下の改修工事が終わっていました。
5Fはデジタルが導入された(らしい)し、地下はきれいになったしとヒカリ座がどんどん魅力的になっていくのがとてもうれしいです。上映作品もやたら昔のテアトルっぽくなってきて観たい作品も増えてきたのでもうちょっと足を運ぶようにしたいです。

あとは駐車場の問題かなあ...。


(関連リンク)


公式サイトはこちら

*1:主に宮崎あおい