「ガッチャマン」見たよ


人類のテクノロジーを圧倒する力を持ったギャラクターを名乗る謎の組織が、突如全世界へ宣戦布告した。なす術もなく地球の半分を占領される中、ISO(国際科学技術庁)の南部博士は、人類の最後の望みをかけ、幼い頃から過酷な特殊訓練を受けて来た5人の若者、ISOエージェント“ガッチャマン”を招集することに――。

『ガッチャマン』作品情報 | cinemacafe.net

(注意) 本エントリーは作品の内容や結末に触れている部分があるので未見の方はご注意ください。



TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。

本作はあるサイトで酷評されたことで公開前から話題になっていましたが、予告が公開されたあたりから映画が好きな知人と「これは地雷っぽいよね」と話題にのぼることが何度かありました。先日「謎解きはディナーのあとで」の感想でも書きましたが(リンク)、本編がおもしろいかどうかに関わらず予告映像はおもしろいのが当たり前です。正直、何度予告がおもしろそう→本編駄作!という予告詐欺に泣かされたのかわかりません。予告がおもしろいかどうかなんてのは観る映画を選別するときにはクソの役にも立たないのです(言い過ぎ)

なので、そんなおもしろくて当たり前の予告がまったくおもしろそうに見えないというのは悪い意味で奇跡的な出来事であり、もしかしたら「こんな作品撮りたくない...」という作り手からの声なきSOSなのかも知れないのです!!

...


すいません、ウソです。何となくかっこいいことを言ってみたくなりましたが慣れないことを言ってもぜんぜんかっこよくなりませんでしたのでさっきのSOS発言は撤回します。予告がおもしろくないのは作り手の力量不足か手抜きが原因だと思います。


さて。

この調子で好き勝手書いてしまうと前置きを書いただけで疲れて寝てしまいそうなのでさっそく観てきた感想を書きたいのですが、まず大前提としてわたしはこの作品をとても楽しんで鑑賞してきました。2時間飽きることなく観られたし、キャストの魅力をしっかりとひねり出している点はとても好印象でした。

たしかに「これは...」と思わず言葉に詰まりそうな事案もいくつかありましたし、細部の粗を吊し上げてこの作品を地雷扱いする人はいるだろうなと思える内容ではありましたが、個人的にはそういった粗はすべて瑣末な雑味でしかなくて映画を楽しむうえでまったく障害にはなりませんでした。

ストーリーやアクションシーンなどについてあれこれ書きたいのですが、いまいちまとまらないので要素に分けて作品の感想をまとめます。

アクションシーンやCGについて

まずアクションシーンについてですがこれはわりとよかったです。
中でもガッチャマンが日本で最初の活動をするときのバトルシーンは迫力があって感心しましたし、そのアクションシーンを支えるCGの出来もよい出来で、いままで観た邦画の中では指折りのできばえだったと思います。

ただ、後半になるにつれてアクションやCGがいまいちだと感じるようになったのですが、それが観ているうちに見慣れてしまったことによるものなのか、それとも本当に出来が悪くなっていったのかは分かりませんが、印象としては前半の方が力が入っていたように感じました。

キャストについて

一人一人について簡単に。



真面目に規則を守り任務にいそしむリーダー役を演じた松坂くん。過去に自分が暴走したせいで大事な人を失った過去があり、その影響もあってやたら堅物で融通が利かず、そしてロボットのように感情を抑え込んでいるというキャラクターです。無表情で淡々と仕事をする姿はとてもかっこよかったです。
彼は笑顔よりも無表情な方が似合うと思います。

演技もアクションもそつなくこなしていて、まさにリーダー!っていう感じでした。「ツナグ」のときも思ったのですが、何でもないたたずまいが画になります。ステキ!




ヨーロッパからやってきた凄腕のメンバーを演じた綾野剛くん。松坂くんとは旧知の仲ですが、ある事件をきっかけにしばらく距離を置いていたようです。最初のバトルシーンで圧倒的な強さを見せて他のメンバーを圧倒してみせたのですが、その後はストーリーのせいで大きな制約を受けてしまったためにその強さが披露されることがなかったのがとても残念でした。

エンドロールで面倒な役割を担わされたのがちょっと気の毒(ネタバレ)。




幼い頃に両親を殺された兄弟を演じたのが剛力さんと濱田くん。
剛力さんは明るく場を盛り上げる以外ではとくに目立つところがなかったように見受けられるのですが、おそらく何かスキルがあるはずです(たぶん)。濱田くんはコンピューターに明るいハッカーでしたが、技量がいまいちなのかあれこれチョンボしてしまうところがキュートでした。


剛力さんはかわいかったし、別にキャラクターに無理も違和感もなかったです。



そして気の優しい力持ちなメンバーを演じたのが鈴木くん。
体躯も非常によかったし、その無骨だけど優しさを感じさせる人となりがにじみ出る演技はたいへんよかったです。

そして鈴木くんと言えば今年公開された「変態仮面」での好演を思い出さずにはいられないのですが、あれとこれを比べたかぎりでは鈴木くんはパンツをかぶってたときの方が強かったような気がします。あのスーツを着るよりもパンツをかぶるべきですね!(言い過ぎ)


演出とか展開について

よかったところと悪かったところをいくつか。


まずよかったところは時間内にちゃんとまとまっていたところです。

前提がちょっと変わるというか、世界観がやや揺らいでしまうところはいただけませんでしたが、でもあれだけのイベントを2時間にきっちりと無理なくまとめたところはよかったです。登場人物や世界観の説明は非常に簡潔で分かりやすかったし、ストーリーは理解しやすくまとめたうえで意外性というスパイスもちょっぴり混ぜこんでいてよかったなと。


悪かったところについては細かい粗をあげるとキリがないので一点だけ挙げると、ガッチャマンへの不満で一番大きかったのは「ピンチを演出しよう」という意図があからさますぎてちょっと興ざめしたところが多かったところ。具体的な例を挙げると「あと○○秒で××しちゃう!」っていうのが何度も出てきてうんざりしたのです。「残りの秒数が少ない、どうしよう!」っていうだけなんだもんなあ...。


最後に

とりあえず思いついたことをざっと書いてみましたが、事実の列挙だけで感想になってないですね。
初音さんのことや岸谷さんのことなどまだまだ書きたいことがたくさんあるので、それを追記するときにもう一度書きなおそうと思います。


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