2012年に読んだおもしろかった本トップ20

2012年に読んだ本は100冊、読んだページ数は30,092ページでした。

冊数が例年の3分の2ほどと、かなり読書読書がおろそかになっちゃった1年でした....。映画を観たり走ったりするのが楽しくて、読書の時間が取れなかったのが敗因だったと思っています。
そんなわけで母数は少ないのですが、その中でもとりわけおもしろかった本を20冊選んで並べてみました。

ルール

昨年同様、新作・旧作問わず「今年私が初めて読んだ本」から選ぶことにしました。

ただし本の種類については小説に限定せず、新書やビジネス書も含めることにしました。実用書と小説を並べて順番付けするのはちょっと抵抗があったのですが、冊数が100冊と分けてランク付けするほど多くなかったのでとりあえずまとめてのランキングにしました。


1位  よろこびの歌

よろこびの歌

よろこびの歌

twitterでおもしろいよと教えていただいたので軽い気持ちで手に取ってみたのですが、さりげない日常に配置された「気づきの瞬間」を見事に切り取って描いていたすばらしい作品でした。

いままで当たり前のようにそうだと思っていたことが単なる思い込みでしかなく、実はもっと違う姿があったことに気づいた瞬間に訪れる視点の大きな変化。それはまさに「パラダイムシフト」とでもいうべき大きな価値観の転換の瞬間でもあるわけですが、その人にとっての「人生のターニングポイント」とでも言うべき一瞬を見せ、感じさせてくれる一冊でした。

「よろこびの歌」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/01/17



2位 教室に雨は降らない

音楽の道を志しながらもその道に進めなかった男性が、小学校で臨時教員として働くというお話でしたが、学校という場所の特異性がとても真正面から描かれたおもしろい作品でした。

(読了日)2012/12/29



3位 ダウン・バイ・ロー

ダウン・バイ・ロー (講談社文庫)

ダウン・バイ・ロー (講談社文庫)

ノンジャンルな感じが「捜査官X」っぽくてよかったし、田舎というか東北地方のもつ空気がものすごい濃度で埋め込まれていて、読みながらその懐かしい空気にしばし浸ってしまいました。

「ダウン・バイ・ロー」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/06/04




4位 贖罪

贖罪 (双葉文庫)

贖罪 (双葉文庫)

趣味も後味も悪いとしか言いようのない作品でしたが、湊さんお得意の独白形式で紡がられる物語は相変わらず読みやすい上におもしろくて、あっという間に読み終えてしまいました。

「贖罪」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/06/23




5位 空想オルガン

空想オルガン (角川文庫)

空想オルガン (角川文庫)

(読了日)2012/12/26




6位 コロヨシ

(読了日)2012/03/02




7位 LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?

LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか? (マイナビ新書)

LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか? (マイナビ新書)

あるネットサービスに限らず、なにかを分析するさいにはこういった複数人の視点から多角的に切ってみるのはとても有効的だなと思ったし、そういえばこういうふうに書かれた本って読んだの初めてかも知れないなとも思いました。

いい意味でも悪い意味でもLINEに興味がある人は一読の価値がある一冊だと思います。

「LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/12/29





8位 スコーレNo.4

スコーレNo.4 (光文社文庫)

スコーレNo.4 (光文社文庫)

(感想)2012/02/18




9位 武士道エイティー

武士道エイティーン (文春文庫)

武士道エイティーン (文春文庫)

人に歴史ありという言葉のとおり、どんな人にもその人が生きてきた分だけの歴史があるわけで、それを知ることでその人の発言の本意や裏にある考えをうかがいしることができる場合もあります。この作品で描かれた世界を総括するという意味でも、メインキャラクターだけでなくサブキャラクターのバックボーンも描いてくれたのはよかったと思います。

「武士道エイティーン」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/02/17





10位 田舎の紳士服店のモデルの妻

田舎の紳士服店のモデルの妻

田舎の紳士服店のモデルの妻

(感想)2012/02/05




11位 ファントム・ピークス

ファントム・ピークス (角川文庫)

ファントム・ピークス (角川文庫)

山で次々と起きる行方不明事件を描いた作品でしたが、たいへんおもしろかったです。

まるで神隠しのように忽然と人が消えてしまうという展開はとてもスリリングそれだけでも興味を惹きつけるのですが、その消えてしまう部分の描き方がとにかくすばらしいのです。

例えるならば、なんてことのない日常を過ごしているときに不意に現れる深く掘られた落とし穴。その穴に足を踏み込むまでまったく気づくことはできず、気づいた時にはもうなすすべなく落ちてその生を終えることになる理不尽さ。

「ファントム・ピークス」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/02/19




12位 戸村飯店 青春100連発

わたし自身は家族を特別な関係だとは思いたくなくて、家族というのはあくまで他者との関係をあらわす種類の一つだと思うようにしていますが、でも実際には家族や血縁というのはとても特別な関係だという一面もあるし、そういったことを数々のエピソードをとおして伝えてくれたのはとてもよかったかなと。

戸村飯店青春100連発 - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/07/10




13位 自分でやった方が早い病

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

本書はこの手の新書にありがちな釣りタイトルでは決してなく、「自分でやった方が早い」という考えのどこが悪くてどういう人がそう思いがちなのか、そしてどうすれば改善できるのかということがきれいにまとめられたよい本でした。

「自分でやった方が早い病」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/07/14




14位 もしも、私があなただったら

もしも、私があなただったら (光文社文庫)

もしも、私があなただったら (光文社文庫)

6年前に辞めた会社の同僚の奥さんが訪ねてきて「あなたとの子どもを産みたい」と告げるという、なかなかセンセーショナルな出だしを見せる本作ですが、作品全体としてみれば中年の色恋事情を丁寧に描いた落ち着いた作品でした。では私自身が好きかどうかと問われると、「こういうのが大人の恋だ」という押し付けがましさに鼻白んでしまったというのが率直な気分ですが、「君はどう思うか知らないけれど世界はこんなふうに動いているんだ」という上から目線な内容はわたしは嫌いではありません。

扱っているテーマは違えども、人ひとりの人生を要約されたら消えてしまうようなところまできっちりと描いているところは白石さんらしい内容だと思うし、それをわたしは読みたいんだなとあらためて感じました。

「もしも、私があなただったら」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/03/18





16位 ツナグ

ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)

(読了日)2012/10/25映画感想





17位 それもまたちいさな光

それもまたちいさな光 (文春文庫)

それもまたちいさな光 (文春文庫)

(読了日)2012/06/23




18位 出会い系のシングルマザーたち―欲望と貧困のはざまで

出会い系のシングルマザーたち―欲望と貧困のはざまで

出会い系のシングルマザーたち―欲望と貧困のはざまで

(読了日)2012/04/15




19位 だれかのいとしいひと

だれかのいとしいひと (文春文庫)

だれかのいとしいひと (文春文庫)

話がかなりそれてしまいましたが、本書は上記の紹介文では「恋愛を描いた短編集」として紹介されていますが、読んでみて感じたのは記憶の不思議さを柔らかな言葉で表現した作品集だと感じました。ふとした瞬間、ある何かをトリガーに想起される記憶がもたらす得も言われぬふしぎな感覚がこの作品ではうまく表現されていてとても感心しました。

「だれかのいとしいひと」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/05/06




20位 オンナを降りない女たち オトコを降りる男たち

オンナを降りない女たち オトコを降りる男たち (新潮文庫)

オンナを降りない女たち オトコを降りる男たち (新潮文庫)

話を本書に戻すと、世の中にはオンナであることをさっさと放棄したいと願う人がいる一方で、いつまでもオンナであることを捨てられない人もいて、後者の生き方というのはいつまでも過去をひきずる生き方であってなかなかしんどいなと読んでて思いました。そして「血脈の火」で描かれていた夫となかよく過ごしているように見えながらも浮気をしてしまう女性というのは、いつまでもオンナであることを捨てきれない後者のような女性なのかなと思ったのです。

生き方としてどっちがいいとか悪いということではなくてあくまで生き方の選択でしかないんですが、この本を読んでいたらその生き方について想いを馳せずにはいられなくなりました。

2012年10月に読んだ本 - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2012/10/14

      • -

去年もそうでしたが、今年も感想書いてない本が多いことにいまさらながらがっかりしちゃいました...。
2013年は読んだ本の感想をちゃんと残しておけるようにがんばりたいです。


http://book.akahoshitakuya.com/category/257500