「ペンギン夫婦の作りかた」見たよ


フリーライターとして東京で働いていた歩美(小池栄子)は、中国で出会ったカメラマン(ワン・チュアンイー)と国際結婚。しかしその後、夫の会社が倒産し職を失ってしまう。歩美は落ち込む夫を気晴らしに石垣島に連れて行く。そこで出会った美しい自然、温かい心、そして美味しい食材にすっかり二人は魅了され、移住する事に! 職のアテも無い二人は共通の趣味である“食”を活かし、石垣島の食材を使った全く新しいラー油を作ろうと思い立つが…。“石垣島ラー油”を生み出した自由に楽しく生きる南の島の夫婦の物語。

『ペンギン夫婦の作りかた』作品情報 | cinemacafe.net

フォーラム那須塩原で観てきました。

石垣島に移住してきたある夫婦の日常を描いた作品でしたが、どういう言葉で評価したらいいのか悩んでしまう内容でした。

どことなく不穏な空気をただよわせていた冒頭はややミステリーっぽく展開してドキドキしながら鑑賞したのですが、一転して中盤は穏やかな日常を淡々と描いていてこちらは自分の過ごしてきた結婚生活と重ねながら「のんびりと眺めている」という感じで鑑賞しました。このままのんびりとした日常が描かれて終わるのかなーと思いきや、後半になると押し寄せるようにラストに向けて話がぐんぐんと加速されていきまして、あっという間にラストまで駆け抜けていってしまいました。

物語のテンポが多少変わる作品というのはたまにありますが、ここまで目まぐるしく作風というか空気が変わる作品ってめずらしいなと感じたし、緩急の大きさにはややとまどいつつも、変化があることで退屈することなく鑑賞できました。


作風がユニークであるだけなく提示されたエピソードもそれなりに楽しめたし、映し出される食べ物はどれも特別ではないけれど丁寧に手作りされたおいしそうなものが多く食べてみたいと思うものばかり。さらになにげなくうつしだされた石垣島の風景は、日常っぽさを感じさせながらもやはり南国特有の空気をまとっていて「特別な場所の日常」を存分に満喫できたのです。

だから基本的に作品に対して不満はないのですが、でも率直に言ってこの作品がおもしろかったかというとよくわからないなと思っちゃうのです。全体として言いたいことは分からなくもないけれど、でもそれを受け止める気になれないというか。「よくわかんないな」と言って距離を置きたくなるような作品だったんですよね。

うまくまとまらないのですが、おそらくいまの自分にはちょっと合わないなというのが一番よいまとめになるかと思いますが、作品としてはぜんぜん嫌いではないけれどなんとなく受け止めがたい作品でした。



あと、とにかくよかったのは小池栄子さんのキャラクターやたたずまい、もう全部ですね。

冒頭では図々しいうえに賢くてさらに強引な彼女の人柄は正直わたしにはうっとうしい人のようにうつったのですが、そういった表面的な部分だけではなく彼女のさまざまな表情や行動をみているうちに一人の女性としてとても魅力的だなと感じる部分がたくさん見つかったのです。

そしてそれに比例するように彼女の表情や振る舞いもまたとても魅力的に見えてきましてもうメロメロの今井メロですよ。
ふとした一瞬に見せる笑顔だったり困った顔だったり、弱い一面だったり、そういうさまざまな部分がすごくきれいに映されていたなと感じたのです。

彼女については「八日目の蝉」や「パーマネント野ばら」での好演が印象的でしたが、この作品もまた彼女の存在感がとても好印象を残す作品でした。


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