「ロラックスおじさんの秘密の種」見たよ


少年・テッドの住む世界は、本物の木が1本も生えないほど環境が悪化してしまった世界。ただ彼の住む街の中だけは、街の実力者・オヘアにより環境をコントロールされ、空気もキレイな全てが人工の街。好きな女の子の気を引くために、未だ目にしたことのない本物の木を手に入れる決意をしたテッドは、その手がかりを得るために、いまは荒廃した街の外にひとりぼっちで住む老人・ワンスラーに会いに行く。彼から聞かされたのは豊かな色とりどりの木が生え、かわいい動物たちがいたかつての世界。そして不思議な森の住人・ロラックスおじさんの話だった――。

『ロラックスおじさんの秘密の種』作品情報 | cinemacafe.net

(注意)
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TOHOシネマズ宇都宮でハホ*1と観てきました。3D吹替え版で鑑賞。

すべてがプラスチックやゴムという人工物で作られたされる町に住む少年が、大好きな女の子の夢をかなえるために本物の木を求めて走り回るというお話でしたが、自然破壊を声高に非難して自然保護をつよく訴えかけようとするやや説教くさい内容でした。

男の子が無茶をして冒険にはしる動機が「好きな女の子のために」というのはすごくよかったし、構図をすっきりとさせることでストーリーを分かりやすくまとめているところやユーモアある登場人物たちもとてもキュートですてきなんですが、全体をとおしてみるときれいごとばかりをきれいに陳列したような話でちょっと辟易してしまいました。

森が失われるに至った経緯はやや過剰とも思える悪意ある人たちを登場させて描いていたし、それがまた経済活動ゆえんの行為として描かれているところに何だかうんざりしちゃったんですよね....。

作品をとおして主張していることはどれも正しいことばかりでどれをとってもひとつも間違っていないのですが、だからこそ正論をぶつけてくるこの作品のことが説教くさくてかなわないやと思ったのでした。


ただ、映像がとにかくすばらしくて、ところどころに配置された一人称視点でのアクションシークエンスはまるでアミューズメント施設のアトラクションに乗っているようなそんな気分にすらなるほどよい出来でした。3Dも及第点といっていいくらいにうまく使われていたし、映像はほんとよかったです。

映画をアトラクション的に楽しむという試みはすごくよいと思います。


そしてもうひとつ。

本作は志村けんが吹き替えするということで話題になっていましたが、出だしは彼の個性が抜けずに「しむらしむら」していてそこが気になったのですが、後半はそれにも慣れてしまったのかさほど違和感をおぼえなくなっていました。そこはさすがだなと思ったのですが、ただ声優さんを使えばもっとまとまりよくおさまっていたんじゃないかなと思うとそれはそれで残念な気はします。


率直に言って「志村けんが声優やるなら見たい!」っていう人がどのくらいいるのか分からないのですが、映画が好きな人であれば「芸能人(特にお笑いの人)が声優をやる」というのは敬遠する理由にすらなると思うんですよね。最近は、芸能人が声をあてるということが即ハズレになるということもずいぶん減っているので芸能人をキャストすること自体を非難するつもりはないのですけどね...。


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*1:長女