「孔子の教え」見たよ

紀元前501年の中国。晋・斉・楚の大国3国に隣接する小国・魯の国政は、権力を握る三桓と呼ばれる3つの分家により混乱していた。君主・定公(ヤオ・ルー)は安定した国を築くため、孔子チョウ・ユンファ)に大司寇の位を授ける。孔子はその期待に応え、次々と改革を進める。殉葬など古い慣習の撤廃や新しい礼節の制定だけでなく、斉との同盟条約を無血で締結させ、外交でも力を発揮した。

孔子の教え | 映画-Movie Walker

宇都宮ヒカリ座でマコ*1と観てきました。

孔子の教え」という超堅苦しいタイトルから、「子曰く、子曰く...と、弟子が孔子の言葉が繰り返し紹介するだけの映画だったらどうしよう...」と心配しながら観に行ったのですが、孔子が魯で重用されるようになってからその生涯を終えるまでの主要な出来事を漏れなく描いた作品でしてとてもおもしろかったです。

恥ずかしながら、"孔子"という人については「論語を書いた人」ということくらいしか知らなかったのですが、生れ育った時代に深く根付いた風習や常識にとらわれることなく自身の考えをつよくもって弟子や周囲の人に堂々と教え説くその姿は、漠然と想像していた孔子という人のイメージとは大きく離れていてとても興味をもちました。


なんて書くと「お前、孔子をどういう人だと思ってたんだよ...」と言われそうなんですが、たくさんの書を書いた人==どこかにひきこもって書を書いてばかりいた仙人みたいな人を想像してたんですね、わたし...。冷静に考えれば、「子曰く、子曰く...」と語ってくれる弟子がいたわけですから、わたしの想像よりもこの作品で描かれている姿の方が似つかわしいはずなんですが、なぜか上で書いたようなひとだと思いきっていたのです。


思い込み....おそろしい子!


本作を観ていてすごく惹かれたのは、戦乱の世で求められるのは武力だけではなく知謀ももとめられるということが描かれていたことです*2。戦乱の世に置いては「他国を侵略するため、戦闘に特化した人材がもとめられる」のかと思っていましたが、実際にはそんな単純ではないんですねー。

これまた思い込み...。


ひとつだけ残念だったのは、本作を観るうえで当時の状況(どの国とどの国が隣接していて、どことどこが友好関係を結んでいるのかどうか、あとは最終的に勝ち残るのはどこかといった程度の情報)に関する知識は前提としてもっていなければならなかったのですが、わたしは歴史に疎いためにその部分がごっそりと欠落していたためにたまにまったく分からないところもあって少ししんどかったです。

あとはかなりのボリュームを描いていたため全体的に詰め込み過ぎ+駆け足過ぎといった印象を受けたのと、放浪しだしてからは時間の長さが分かりにくかったのが残念でした。

と言いつつも、たいへんおもしろかったことは間違いなく、リアルでもtwitterでも「子曰く、子曰く」とバカの一つ覚えみたいに使っています。


公式サイトはこちら

*1:

*2:知謀といっても戦いの戦略を立てるというよりも、慧眼を発揮して自らの意図することを伝える力だということ