「映画ドラえもん のび太と奇跡の島」見たよ


ある日、のび太の部屋に500年前に絶滅したはずの巨大生物モアが出現する。なぜのび太の部屋にそんな動物が現れたのか? 絶滅したはずの様々な動物が生息する最後の楽園を舞台に、ドラえもんのび太たちの冒険が始まる――。コミックス17巻に収録された話を基に、TVアニメシリーズの総監督でもある楠葉宏三がメガホンを取る冒険物語。

『映画ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮でハホ*1とアオ*2と観てきました。

春先に公開される劇場版のドラえもんを観るようになったのは2007年の「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜」からなので、今年で5回目となりました。

最初の「魔界大冒険」がすごくよかったのと、当時2歳だった長女がかなりおもしろかったといって喜んでいたので以来毎年楽しみに観に行くようになったのですが、正直に言って「魔界大冒険」よりもおもしろい作品はなかったんですよね...。


「魔界大冒険」以降、劇場版はオリジナルシナリオ→大長編のリメイク→オリジナル...を繰り返しているのですが大長編のリメイクはそこそこ楽しめるのですが、オリジナルシナリオはちょっと満足できない内容が続いています。正直、これだったらオリジナルシナリオの年だけでも観るのは止めようかなと思っていたのですが、その想いをあらたにしましたというのが本作を観ての感想です。


本作も概ね楽しく観られたのですが、どうしてもバランスの悪さがすごく気になってしまいました。
語らなくてもいいことを語って、語った方がいいことを語らずにいることに、言いようのない居心地の悪さを感じたんですよね。

たとえば、のび太のお父さんが奇跡の島に連れ出される部分はあまりに強引な上に説明が足らな過ぎるし、逆にのび太のお父さんの正体はあんなふうに明確にする必要はなかっただろうと思うわけです。特に後者については、のび太が父親であることに気付くもっと自然な流れというものがあったと思うし、あんなふうにはっきりと言葉にしてしまうことで「のび太の感性はあの程度」なんだと決めてしまっているように感じたのです。

腕力も学力もないけれど、感受性はひと一倍強いのび太という個性をもっと信頼して欲しかったなとすごく残念でなりませんでした。本作で語られる「親子の絆」というテーマは正直あからさますぎて好きじゃなかったけど、でも言いたいことは分かるし、その伝えたいことはあんなふうに言葉で語らせるのはダメじゃないかなと。


そして、こんなふうに全体がアンバランスになってしまった一番の理由は、詰め込み過ぎなんですよ。
伝えたいことを全部語ろうとして、その結果大事なことが抜け落ちてしまうのはなんだかもったいないなと。上ののび太の件もそうですが、全部を明確に語ろうとするのって、相手の理解力や感受性を信頼していないってことだと思うんですよね。


というわけでちょっと期待どおりというわけにはいかず残念な内容でした。


さらに、例年はおもしろかったしか言わないハホが「今年のはおもしろくなくてあんまり好きじゃない」と言い出す始末でして、来年がオリジナルシナリオだとしたら観ないかも...と思ったのでした。


(関連リンク)


公式サイトはこちら

*1:長女

*2:次女